プノンタコンコミュニティ森林管理小屋の落成式(2023年6月21日)

2023年6月21日のおめでたい朝、ストゥントレンのプノンタコンコミュニティ森林(CF)は、5月に建設が完了したばかりの新しい管理小屋の落成を祝いました。前日の豪雨は、雨季の緑に満ちた森のふもとに新鮮な空気と快晴の天気をもたらし、このイベントを祝福しました。落成式は、伝統的なProv[1]先住民のお祈りで始まり、現代的なテープカットで終わるという、伝統と現代性を融合させたものでした。SNRM プロジェクトチームのほか、地区政府の著名な来賓も祝賀会に参加しました。

お祈りの後、SNRMプロジェクトディレクター兼森林局次長のChan Ponika氏とSNRMプロジェクトマネージャー兼環境省監査・法執行課次長のSou Sontara氏を筆頭に来賓が到着しました。全員が管理小屋に集まり、プロジェクトの立ち上げや促進に寄与し管理小屋の建設に貢献した各団体の代表者による挨拶が行われました。

はじめに、プノンタコンCF管理委員会(CFMC)のチーフであるVong氏から2007年のCFの形成から2015年のCFの認可、そして2021年のSNRMプロジェクトの開始に至るまでのCFの歴史が説明され、この 2 年間のプロジェクトの成果についても言及されました。次に、ストゥントレン州森林局(FAC)副局長Raksmey氏から、JICAが支援する活動として、境界柱の設置、案内板や看板の設置、CFメンバーの能力開発訓練、パトロール用具の提供、簡易水道施設の改修、家畜飼育訓練、現在進行中のCFの国有地登記の手続きなどが挙げられ、この管理小屋の建設に至る2年間の継続的な活動が詳細に語られました。 続いて、JICAカンボジア事務所を代表して加藤愛子氏がCFの感想とCFへの期待を述べました。カンボジアに到着してから2週間、首都で過ごしていた加藤愛子氏は、プノンタコンで緑を見て新鮮な空気を感じられたことに喜びを表しました。さらに、管理小屋を代表のVong氏が自らの手で壁塗りしたことに感嘆し、地域住民の労をねぎらいました。そして、この管理小屋が住民に大切に使われ、これまでプロジェクトで行ってきた幅広い活動と同様に、CF の自然資源管理の取り組みに貢献していくことへの期待を述べました。

最後に、Ponika氏が、これまで、本プロジェクトを成功に導いてくれたCFメンバー、JICA専門家チーム、FAC、その他の関係者に感謝のスピーチをしました。同氏は、SNRMの終了が近づいているため、CFは計画されている残りの活動を期限内に完了することに尽力し、プロジェクトの結果を長期的に持続可能なものとする必要性があると述べました。また、エコツーリズムや国外の投資家を魅了することで自然資源が彼らに収入をもたらすことからCF参加者に森林の保護に取り組むことを推奨しました。さらに、CFに対し、自然資源の保全に結び付く彼らの生計改善として何ができるかを考えるよう促しました。また、地域当局に対し、CFと協力して地域の森林犯罪と闘うよう要請して挨拶を終えました。

CF メンバーの中には、生計改善を目的として牛飼育ボランティアに任命されSNRM プロジェクトの調整の下、州農業局(DoA)が提供する牛飼育に関する研修を受講した者がいました。Ponika氏は、スピーチの後、訓練コースへの参加と修了を称え、訓練生に証明書を手渡しました。

証明書の授与後にテープカットが行われました。赤いリボンが半分にカットされた後、ついに新しく塗装された管理小屋の正式なオープンが宣言されました。その後、来賓は記念のために管理小屋周辺に高級材の苗木を植えました。

祝賀会は、全員が友情の食事を分かち合い、歓談、クメールの歌そしてダンスといった、楽しいパーティーで締めくくることができました。

森林分野は体力的にきついかもしれません。でも、このようなCF参加者と一緒ならダンスのように楽しめます!


[1] Prov(Praov 、Brao)族は、カンボジアとラオスの国境の両側に見られる少数民族です。 彼らは伝統的に森林で生計を立てており、何世紀にもわたる長い精霊信仰を持っています。

プノンタコンCF管理小屋落成式

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山の神様へのお祈り

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記念写真

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CF管理委員会代表のVong氏

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Ponika氏によるテープカット

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記念植樹 左からSontara氏、Raskmey 氏、
チーフアドバイザーの五関専門家、FACからShoka氏、Ponika氏、地区長のSobol 氏

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CF メンバー、JICA専門家チームおよび
JICA事務所職員