パイロット・コミュニティフォレストを選定し、活動計画を策定しました

ストゥントレン州を対象とする州レベル活動コンポーネントの枠組みの中で、同州セサン郡のプノンタコン・コミュニティフォレスト(CF)が、プロジェクトのパイロットCFに選定されました。これは、パイロットの選定基準を満たすと判断される同州内のCFから選抜されたもので、今後同CFでは、カンボジアにおけるCF管理の優良事例の構築を目指し、様々なモデル活動が実施されることとなります。

2021年の前半は、新型コロナ対策による制約を受け、州レベルを中心にプロジェクトの一部活動の中断を余儀なくされましたが、プロジェクトではその期間の前後に、計3か所のパイロットCF候補地を踏査しました。同年10月、現地調査および州内のCF支援に取り組む援助機関(CEPA、MVi、RECOFTC)との調整を経て、JICA専門家とストゥントレン州森林局は、プノンタコンをプロジェクトのパイロットCFとすることを決定しました。1,073haという候補地の中では最大の面積を有すること、森林の状態が良好で高い保全価値が認められること、CF管理に対する地域住民の積極的な参与が期待できることなどが選考の決め手となりました。

パイロット選定に続くステップとして、プノンタコンCFメンバーとの話し合いにより、パイロットCFの活動計画作りに取り組みました。この活動計画は、活動の重複を避け、支援の相乗効果を図るため、上記の援助機関とも協議、調整の上策定されたもので、CFメンバーの生計向上を支援しつつ、直接・間接に森林の持続的管理に貢献する以下のような活動で構成されています。

  • CFの境界の明確化
  • 簡易水道管のリノベーション
  • CF事務所
  • 案内板、標識の設置
  • パトロール用装備の供与
  • CFの土地登録手続き支援
  • CF管理委員会の活性化
  • アグロフォレストリーの導入
  • 家畜飼育の促進

パイロットの選定、活動計画の策定、さらには各活動の大まかな経費積算が完了した今、CF管理委員会を中心とするCFメンバーの主体性を喚起し、FACおよびその他関係機関、裨益者の積極的な参与を促しながら、2022年度のパイロット活動開始に向けた準備を進めているところです。

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プノンタコンCFメンバーへの現地聞き取り調査

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パイロットCF活動計画策定の過程で、関係援助機関との調整に努めました

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プノンタコンCFメンバーと話し合いながら、活動計画作りを進めました

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提案された選択肢の中から活動計画に盛り込むべき活動を選ぶCFメンバー

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プノンタコンCFメンバーとの打ち合わせ参加者

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プノンタコンCFを舞台とするパイロット活動が間もなく始まります