プロジェクト成果発信セミナーと最終合同調整会議(JCC)の実施

モザンビーク国の復興庁(GREPOC)やベイラ市は、国際協力機構(JICA)の協力のもと、2019年9月より約3年間実施してきた「サイクロン・イダイ被災地域強靭化プロジェクト(ARPOC)」の活動成果共有と今後の展開方針の確認のため、2022年11月3日・4日にベイラ市で下記のイベントを開催しました。ARPOCは、アフリカ大陸で初めて実施された自然災害対応プロジェクトということで、JICAにとっても大きな意義のあるプロジェクトとなりました。

1.プロジェクト成果発信セミナー
プロジェクトの成果や今後の災害に強い地域づくりに向けた取り組みについて、被災地域のコミュニティや周辺地域、関係者間で協議しました。

2.第4回合同調整会議(Joint Coordination Committee)
プロジェクト実施機関及び他のプロジェクト関係者と、プロジェクト成果及び今後の復興と防災の課題・対策について協議しました。

3.マクルンゴ小学校の引き渡し式
ARPOCで改修したマクルンゴ小学校において、完工セレモニーを実施し、在モザンビーク日本大使館、JICAモザンビーク事務所長、カウンターパートが参加しました。関係者のスピーチでは、「Build Back Better(より良い復興)」という災害リスク削減の観点を復興に取り入れ、社会全体が自然災害から迅速に回復するためのレジリエンスを強化する必要性が強調されました。式では、同校の生徒代表の言葉もあり、日本の協力に対する感謝の意が伝えられました。

ARPOCでは、高度な技術を駆使して、新たな災害が発生した場合の危険地帯を示すハザードマップ、インフラ計画や土地利用計画、公共施設計画、避難計画を策定しました。また、釘やネジを使わず、木材を加工して簡単に解体・組み立てが可能な「木組み(KIGUMI)」と呼ばれる日本の伝統的な木工技術を応用し、サイクロンを中心とする災害に強い建物を建築できる大工の育成を行いました。パイロットプロジェクトでは、マクルンゴ小学校とマテウス・サンサン・ムテンバ中学校等の被災した教育施設の復旧も実施されました。

ARPOCは、アフリカ大陸で初となるJICA協力による自然災害対応プロジェクトであり、JICAにとっても大きな意義のあるプロジェクトとなりました。ARPOCの活動と、それを持続展開することで、ベイラ市の職員やコミュニティ、地域住民は、災害に備えるための計画や手段を持ち、新たな災害に備え、強靭な地域社会を創造することができると考えています。また、このプロジェクトの活動について関係機関や国際ドナーが連携し、モザンビークの他の地域へも普及展開が推進されることで、新たな災害が発生した際の人命の損失や経済的損失の削減など、被害の軽減に貢献することを期待しています。

成果発信セミナーでの集合写真

成果発信セミナーでの集合写真

成果発信セミナーでの大工アソシエーションによる木組み(KIGUMI)に関する紹介

成果発信セミナーでの大工アソシエーションによる木組み(KIGUMI)に関する紹介

成果発信セミナーのワークショップにて現時点での課題や今後自分たちでどのように対応していくか議論する参加者

成果発信セミナーのワークショップにて現時点での課題や今後自分たちでどのように対応していくか議論する参加者

成果発信セミナーにて、ハザードマップを見ながら議論する参加者

成果発信セミナーにて、ハザードマップを見ながら議論する参加者

第4回JCCの様子

第4回JCCの様子

第4回JCCにて発表を行うJICAモザンビーク事務所所長の松本

第4回JCCにて発表を行うJICAモザンビーク事務所所長の松本

第4回JCCでの成果発表プレゼンテーション

第4回JCCでの成果発表プレゼンテーション

マクルンゴ小学校の引き渡し式の様子

マクルンゴ小学校の引き渡し式の様子

マクルンゴ小学校の引き渡し式にて歓迎の歌と踊りを披露する小学生たち

マクルンゴ小学校の引き渡し式にて歓迎の歌と踊りを披露する小学生たち

完成したマクルンゴ小学校の校舎の一部の様子。サイクロンでも飛ばされないよう設計・施工がなされている。

完成したマクルンゴ小学校の校舎の一部の様子。サイクロンでも飛ばされないよう設計・施工がなされている。

マテウス・サンサン・ムテンバ中学校

マテウス・サンサン・ムテンバ中学校