交通部による交通事故データ収集の取り組み

現在の交通事故データ収集は、交通部ではなく主に刑事部の警察官によって行われています。交通事故が起きた際、警察官らは、事故記録報告書(Accident Report Form/ARF)というフォーマットを用いて交通事故データを記録します。ARFの記録は、64項目にもわたる報告事項で、記入に時間を要していました。また、ARFには、当事者間で解決した事故は、記録されていませんでした。

ダッカ交通安全プロジェクトでは、交通事故データ収集プロセスとデータベースシステムの見直しを行い、より多くの事故データを集めること、よりよい事故防止策の検討に活かしていくことに焦点を当て、交通警察官が物件・人身に拘わらず、重大な交通事故情報を収集・分析することを提案し、ダッカ首都警察の合意のもと取組んでいます。

JICA専門家チームは、交通部が分析を行う上で必要になる項目を絞りこみ、Road Crash Form (RCF) という簡易事故報告書(手帳サイズ)にまとめ、2023年5月から7月にかけて、Ramna※方面交通課において試験的にRCFを用いた事故情報収集をおこないました。
当初は手書きで事故データの記録をしていましたが、今後スマホアプリ(Android版)を開発しデータ集計の効率化を図るとともに、実施地域も全方面交通課(8 Division)に展開し、2023年12月まで試験運用をおこないます。
本プロジェクトでは、事故データベースシステム改良の一環として、RCF および ARF のデータを記録・保存し、これら情報の視覚化および分析するためのデータベースを開発しました。今後、この利用を促進するとともに、ダッカ首都の交通警察官の能力向上に貢献していく予定です。

※地区名

研修開催の挨拶

研修開催の挨拶

研修の説明を受ける参加者

研修の説明を受ける参加者

仮想事例を使った実践トレーニングの説明を行う専門家

仮想事例を使った実践トレーニングの説明を行う専門家

仮想事例を題材にRCFに記録する受講者

仮想事例を題材にRCFに記録する受講者