警察による交通安全実現に向けた様々な取り組みを本邦研修にて学びました

本プロジェクトでは、カウンターパートがプロジェクト目標を達成するプロセスにおいて、より豊かな発想が得られるよう本邦研修を実施しています。

2023年3月より、ダッカ首都警察交通課を中心とした警察官及びJCCメンバーである関係機関の職員総勢15名が本邦研修に参加しました。研修生は、安全で思いやりと調和のある日本の交通社会を支える制度・規則、教育、研究などの取り組みを知るため、警察庁の協力のもと警視庁交通部長への表敬訪問、警察官による都内小学校での交通安全教育、警視庁交通安全教育センターでの二輪車交通安全講習会、鮫洲運転免許試験場を視察したほか、千葉県警広報センター、日本交通安全教育普及協会、交通事故総合分析センター、赤羽教授(千葉工業大学)、上連雀交通公園(三鷹市役所)、大宮交通公園(京都、大和リース株式会社)、御堂筋道路空間再編事業(大阪市)などを見学しました。研修生は、見学や講義を通して、交通安全を実現するための取組について積極的に知見を深めました。

例えば、大森第三小学校の5、6年生を対象に行われた交通安全教育では、実際に起きた交通事故の模様や事故につながる危険な行為、事故の発生しやすい場所や状況を再現し、プロのスタントマンがその場で実演してみせるスケアード・ストレート手法を見学しました。また、小学生が積極的に参加できるよう、自転車の正しい乗り方や、ヘッドホン着用による運転禁止、左側走行厳守、交通事故が発生した際の対応方法について、警察官がクイズ形式で参加実践型指導を行う工夫をしていることを学びました。

研修参加者は、「ダッカでは正しい交通ルールを一方的に説明するのみで、クイズ形式など子供を巻き込んだ実践的な交通安全教育が実施されていない。また、口頭説明のみで事故の再現などを使った効果的な説明行わず、子供が理解度を確認せずに進められている。今後は、ダッカにおいても、日本のような交通安全教育を実施したい」という意見が寄せられました。

研修生は、およそ2週間の研修の最後に振り返りを行い、今回の研修での学びをどのようにプロジェクト及び実務に活用・反映していくかについて討議を行いました。個別のテーマ(1)実践的な交通安全教育、2)広報活動・啓発活動、3)交通事故のデータ分析/活用、4)交通取締り、5)交通公園)ごとに、運営予算の実現性や、他部署や関係機関との協働方法などが発表されました。

なお、研修生が上連雀交通公園を視察した様子は、日本のメディア・新聞社にもとり上げられました。

本プロジェクトでは、来年も本邦研修を計画しているほか、研修生らが近隣諸国で知見を深めるために第三国研修も実施していきます。

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横断歩行シミュレーション体験(日本交通安全教育普及協会)

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交通公園(三鷹市上連雀交通公園)における視察時のメディア取材(国旗は来園したお子さんの手作り)

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小学校における交通安全教育(スケアード・ストレート手法、大森第三小学校)

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交通公園(京都・大宮交通公園 Park-PFI)における視察(自転車運転指導)

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研修修了書の授与式