「Interprofessional Education (IPE) Training Course in Thailand （専門職連携教育（IPE）トレーニングコース）」の開催

2023年９月４日〜７日、「Interprofessional Education (IPE) Training Course in Thailand
（専門職連携教育（IPE）トレーニングコース）」を開催しました。
GLO+UHCプロジェクトはPhase1の時より、National Health Professional Education Foundation, Thailand (NHPE)とともに、WHO協力センターである群馬大学の協力を得ながら、IPEの推進を行ってきました。

群馬大学はIPEに関するWHO協力センターとして、IPEを普及・発展させていくために2013年よりIPEトレーニングコースを実施しています。NHPEは2014年に医療専門職教育を発展させることを目的に設立され、タイ国内におけるIPE活動の普及・発展を行っています。NHPEはタイ国内のみならずASEAN域内においても医療専門職教育の推進について重要な役割を果たすことを計画しています。

このような背景から、IPEトレーニングコース企画・実施等に関する豊富な経験を有する群馬大学の協力のもと、1)IPEに関する最新の知見を把握するとともにIPEのプログラム等に関する理解を深めること、2)タイ及びラオスの医療関係教職員のIPEに関する能力開発及び向上を図ること、3)タイ・ラオス・日本の間のIPEに関するネットワークを強化すること等を目的に、 IPEトレーニングコースを実施しました。

IPEトレーニングコースには、タイからは国内の教育機関等から20名、ラオスからはUniversity of Health Sciencesから５名の合計25名が参加しました。群馬大学からは４名の教授が講師として参加されました。

今回タイで実施したIPEトレーニングコースでは、群馬大学が実施しているトレーニングコースをもとに、バンコクで３日間のプログラムが提供されるとともに、サイト訪問としてウドンタニ病院を訪問し、タイで実践されているIPEプログラムの体験が行われました。

バンコクでの３日間のプログラムは、NHPE理事長とJICAタイ事務所長の開会挨拶で始まりました。プログラムは、レクチャー・グループワーク・発表及び全体議論を一つのセッションとして構成されており、群馬大学の教授陣が講師及びファシリテーターを務め、５つのテーマが各セッションで設定されていました。

参加者は事前に４グループに分けられ、各セッションのテーマについて、講師からレクチャーを受けたのちに、グループごとにディスカッションを行い、ディスカッションの結果を全体に向けて発表を行い、フィードバックを講師や他の参加者から得ることができました。バンコクでのプログラムにより、参加者らはIPEについての理解をさらに深め、能力を向上させるとともに、各国間のネットワークを強化することができました。

４日目はウドンタニ病院で実践されている、シミュレーションツールを用いたIPEプログラムを体験しました。シナリオは、３つ用意されており、それぞれTask based management (Discharge planning)、Team communication and situation awareness (Crisis management)、Conflict managementに関して連携を図ることを目的に作成されていました。ウドンタニ病院の講師らの説明後に、参加者らも実際にシミュレーション機器を用いながらシナリオを体験することで、様々なIPEプログラムの方法論について学ぶことができました。

GLO+UHCプロジェクトは、今回のIPEトレーニングコース実施の経験により、タイ及びラオスのIPEに関する能力開発・向上が図られるとともに、今後、NHPEをはじめとしたタイ国内の組織により、IPEトレーニングコースが実施され、周辺国にプログラムが提供されることを期待しています。

改めまして、IPEトレーニングコースにご協力いただいたすべての皆さまに心より感謝申し上げます。GLO+UHCプロジェクトは引き続き日タイのグローバルヘルスとユニバーサルヘルスカバレッジに関するパートナーシップを強化するとともに、2030年までのUHC達成に向けて周辺国支援等に関して微力ながら尽力して参ります。