日本での技術研修(本邦研修)を実施しました

2023年11月27日から12月8日の約2週間、「マレーシア国全人教育推進プロジェクト(MAKMur)」の活動の一環としてマレーシアの教育省職員、地区教育局職員および教員合計15名を日本に招き、技術研修を実施しました。

研修では、マレーシアの教育や参加者自身のこれまでの実践を振り返りながら、日本の全人的な教育に係る取り組み1や環境についての理解を深めました。特に、小学校および保育園を訪問し、教員によるサポートのもと、小学校では学級会を児童自身でやりぬく姿を、そして、保育園では園児が自ら考えて遊ぶ様子を見学して、子どもの主体性・協調性等の育成の様子を実感することができました。さらに、子どもの意欲を重視した教育を行うことにより保護者の理解が得られ、学校と保護者間の良好な関係が構築・維持されていること等も理解しました。その他、研修講師や見学先から得た学びを通じて、研修前は「何をするか」のみに注目しがちであった研修参加者が、次第に何のためにするのか、そのためには何が必要なのか、といった教育実践の意味や教育環境等も意識するようになりました。

研修参加者からは「子どもの積極性や主体性の意義を理解してはいたが、学校現場への訪問を通じて、実際にそれを体現した日本の教育実践をより深く理解できた」、「児童が自分で考え、楽しんで継続性のある活動をして自発的な学びが生まれている」等の声が聞かれました。また、低学年と高学年が協力した掃除や校内放送、給食の準備・片付け等、授業以外の時間にも児童が自ら活動を進めている様子を目の当たりにすることで、研修参加者は学校生活全体を通じた児童の能力強化の重要性も認識するようになりました。

マレーシアへの帰国後、研修参加者は各所属先校等で日本での学びを活かした取り組みを実践すると同時に同僚にも知見を共有しています。学びの意義や保護者等の関係性への理解を深めたことにより、子どもが自然に能力を身に着けていく様を研修参加者と知見共有ができた今、保護者も含めて皆で子どもを育む教育活動の実現とその普及に向けてプロジェクト活動を進めていきたいと思います。


1 全人的な教育に係る取り組み例として、本研修では学級会や学年を越えた協働(掃除等)、寸劇などを見学した。

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講師が教員役、研修参加者が子ども役となって、保育園での子ども達の学びを体験

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元PTA会長から保護者の学校との関わりについて話を聞く研修参加者

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訪問した小学校で教員から説明を受ける研修参加者

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学校見学を通じて学んだ点を振り返る研修参加者