【医師】新規に総合診療研修の認定を受けたボルガン県病院、フブスグル県病院を視察しました

2024年3月7日~8日、新規に総合診療研修の認定を受けたボルガン県病院とフブスグル県病院を視察しました。

現プロジェクトは、総合診療研修の質を維持しつつ、研修の全国展開を支援しています。これまで保健開発センターとともに支援を行ってきたボルガン県病院とフブスグル県病院が、研修病院としての準備が整い、2023年10月に保健省から研修病院として認定されたため、認定後の視察を行いました。

ボルガン県病院は、先行する他の研修病院と比較すると規模が小さい地域の病院ですが、総合診療研修の重要性を理解し、積極的に準備を進めてきました。救急科など一部の診療科は他の研修病院と連携して研修を行うこととし、認定後から1名の研修医を受け入れ、総合診療研修を開始しています。

ボルガン県病院の指導医は、「研修医受け入れ当初は手探りで指導してきたが、第二回連携協議会でオルホン県RDTCでの実際の指導を見て、自分たちのやり方が間違っていなかったと安心した。より良く改善していきたい」とおっしゃっており、3月6日に開催された連携協議会の有益性を再確認しました。また研修医からは、「最初にローテーションを開始した小児科では、どうすれば良いかわからないことばかりだったが、そこで一通りの診察や手技について経験し、指導してもらったことで、次にローテーションしている内科では、最初よりも自信をもって患者さんに向き合えています」と話していました。

井上チーフアドバイザーからは、「救急科の研修を他施設で行うだけでなく、研修医や指導医がお互いに他施設と人材交流する機会があることも有益である」などのアドバイスを行いました。ボルガン県病院のように、人材や設備が不足している中でも他施設と連携しながら総合診療研修が行えることは、今後さらに研修病院を増やして総合診療研修を展開していくうえで重要なモデルになると考えています。

フブスグル県病院の訪問日は祝日であったにもかかわらず多くの指導医が意見交換に出席され、研修開始にとても積極的な姿勢がうかがえました。

また、フブスグル県病院では同行した堀米医師から、日本の卒後臨床研修の実例について紹介を行いました。モンゴルの1年間の総合診療研修に対して、日本の卒後臨床研修は2年間と期間の違いはありますが、モンゴルの総合診療研修で取り入れられる部分も多く、具体的な指導方法などについて活発な質疑応答が行われました。

いずれの病院も、これから総合診療研修を自施設内で定着させ、発展させていく途上にあります。各病院がひとりひとりの研修医を着実に育て、またそれぞれの病院自身も発展していけるよう、引続きプロジェクトの立場から支援を継続していきたいと考えています。

モンゴル国 医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明
          堀米顕久

ボルガン県病院の外観

ボルガン県病院の外観

フブスグル県病院の外観

フブスグル県病院の外観

フブスグル県病院にて日本の卒後臨床研修の紹介

フブスグル県病院にて日本の卒後臨床研修の紹介

フブスグル県病院での集合写真

フブスグル県病院での集合写真