6保健管区合同半期評価会&ワークショップ

2023年7月7、8日に、プロジェクト対象の6保健管区合同で、半期評価会とワークショップを開催しました。参加者は、保健省(本省)の管理職と技官をはじめ、6保健管区から保健行政技官、また、各保健管区に属する市支所から各支所長、そして、JICAのプロジェクトチームから日本人専門家とテクニカルアシスタントの、合計89名になりました。会場は、保健省から離れた、郊外のホテルの会議室です。保健省やその関連施設の会議室の場合、議論の最中に参加者が呼び出されることがよくあります。また、省内での所用を済ませようとこっそり離席する参加者がいます。限られた予算の中で、参加者全員が問題の解決に向けて議論に集中できるような場所選びの工夫を、プロジェクトは重ねています。

初日に開催した半期評価会の目的は、活動の進捗度の確認、各保健管区の具体的な活動方法、抽出された課題に関する意見交換と好事例の共有です。6保健管区がともに進めているのは医療従事者のための「プライマリー・ヘルス・ケア研修」と「母子保健研修」、それらの学びを活かした地域での保健医療活動です。チョンタレス保健管区とセラヤ・セントラル保健管区は、2015年から2019年まで実施されたJICAの「母と子どもの健康プロジェクト」から継続しているこれらの活動に加え、今回のプロジェクトでは非感染性疾患(NCDs)にも取り組んでいます。NCDsのリスク患者のスクリーニング方法、リスク患者への対応、記録、継続ケア、レファラル・カウンターレファラル等、他の保健管区よりも発表内容が盛りだくさんでした。そして、2023年から活動を開始した2つの保健管区(グラナダとリバス)にとっては、先行している4つの保健管区から、多くのことを学ぶ機会となりました。特に複数の課題が示されたのは、地域で住民とともに行う保健活動の進め方でした。状況の改善に向けて、事例を交えた活発な意見交換が行われ、経験と知見に基づく具体的な提案がなされました。

2日目は、ワークショップを開催し、参加者が5つのテーマ別にグループワークを行いました。各グループでは、本省の保健サービス総局の技官らがモデレーターとなり、日本人専門家とテクニカルアシスタントがそれらのグループワークの進行を支援しました。5つのテーマは、以下のとおりです。

各グループは、2時間半かけて、意見交換の内容を取りまとめ、発表しました。発表内容は、その後の政策の改正や業務マニュアルの改訂に生かすことになっています。

2日間の共同作業の閉会に際して、初めて参加した本省技官から、「学びが多く、建設的な2日間でした。ここでの学びを日常実務で実践することで、解決される課題は多くあると考えます。全てが完璧に、すぐに改善されるわけではありませんが、少しずつ継続して取り組むことが重要でしょう」というコメントがありました。 

写真1) 6保健管区合同半期評価会参加者

写真1) 6保健管区合同半期評価会参加者

写真2)バスケス保健サービス総局長による開会のあいさつ

写真2)バスケス保健サービス総局長による開会のあいさつ

写真3)グループワークの様子

写真3)グループワークの様子