都市機能強化プロジェクト

バングラデシュでは、都市部の人口増加率が高く、今後も人口増加が予想されます。また、地方都市の中心部も大幅に人口増加が進み、交通渋滞や環境の悪化が顕在化するなど、都市化への対応の遅れが課題となっています。都市化の問題に対しては、各自治体が実態に合わせて必要な対策を取る必要がありますが、行政活動の実績・予算のレビューや透明性確保が十分とは言えず、各自治体における行政機能の強化は大きな課題です。日本政府は、バングラデシュの地方自治体の能力強化に向けて、円借款及び技術協力プロジェクト等を通して、各層の自治体への協力を行ってきていますが、その中でも、中核都市に対して基礎的な行財政能力向上とインフラ整備を支援してきました。しかし、地方自治を所掌する省庁である地方行政総局及び中核都市のガバナンス向上戦略の実施・運用体制の確立、自治体の職員向けの研修・人材育成の制度化までは至っておらず、行政活動の実績及び予算のレビューや透明性確保といった組織基盤の整備を持続的に行っていくには、ガバナンス向上戦略の着実な実施を通した、地方行政総局及び中核都市への能力強化が引き続き必要となっています。
この協力では、地方行政総局及び中核都市におけるガバナンス向上戦略の実施体制の整備と人材育成体制の確立が実現することにより、中核都市の行政能力強化のための基盤整備を図り、中核都市の行政サービスの改善及び市民の満足度向上に寄与します。