Crop Handbookの作成(2023年12月)

2023年12月、SHEPステップ4(農家による技術習得)の活動の一環として、農家向けの栽培ハンドブック(Crop Handbook)が作成されました。農業局の保有する既存の栽培マニュアルをもとに、農家が使いやすいように作物別に再編集したものです。

2023年に作成したハンドブックは、農家により選定された13の対象作物(トマト、ナス、キュウリ、甘トウガラシ、トウガラシ、インゲン、オクラ、ヘビウリ、キャベツ、ニンジン、ジャガイモ、リーキ、カキリ)が対象です。カキリ(ケキリとも)は日本のマクワウリに似た調理用メロンです。

まずは専門家チームが農業局の既存のマニュアルを参照し、英語版でハンドブックのドラフト版を作成しました。栽培技術には耕起から播種、定植、収穫まで含まれ、その間の畝立て、除草・中耕、支柱の立て方、誘引の仕方、肥培管理や病害虫管理も表記されています。各栽培法には写真やイラストを追加することで、農家が理解しやすいよう工夫しました。農家にとって特に病害虫の特定は難しいものですが、作物の部位別の病気の状態や害虫の幼体や成体のカラー写真を多用することで、確認しやすくなっています。またそれぞれの病害虫への対策も記載しています。その上でスリランカではまだ採用されていない圃場衛生管理や剪定などの知識や技術も補足されました。

専門家チームによるドラフト作成後、農業局のカウンターパートによる内容確認と、現地語であるシンハラ語への翻訳が行われ、最終版が承認されました。印刷されたハンドブックは普及員を通じてそれぞれの農家に配布され、展示圃場での栽培実地研修や農家個々人の栽培時の参照資料として活用されています。

普及員による農家向け研修の様子

普及員による農家向け研修の様子

農家向けの実地研修の様子

農家向けの実地研修の様子