エルサルバドルとグアテマラのコミュニティリーダーの相互学習の実施 (2023年11月14日~17日)

本プロジェクトでは、コミュニティ同士が、グッドプラクティスや教訓を共有し、居住しているコミュニティでの母子栄養改善活動に活用することを目的に相互学習を行っています。

2023年11月14日~17日(4日間)、JICA草の根技術協力事業「エルサルバドル国女性の生活改善と青少年のビジョン形成を通じた幸せに過ごせる地域づくり事業 -開発ポテンシャルを活かすプロセス支援-」のもと育成されたファシリテーターとコミュニティリーダー8人がグアテマラを訪問し、相互学習を行いました。

エルサルバドルでは、2021年よりJICA草の根技術協力事業のもと、茨城県のNPO法人国際農民参加型技術ネットワーク (通称:イフパット) とコンチャグア市役所が協働し16の農村・漁村で、主に女性や高校生が主体的に生活の中の課題を解決し、地域づくりを実現すべくサークル活動が行われてきました。高校生が感染症予防のために地域でゴミ拾いを始めたり、女性たちが台所の改善や家庭菜園を通じて健康改善をするなど地域での活動が進められています。

相互学習では、本プロジェクトの生活改善アプローチによる母子栄養改善の研修を修了し、地域で母子栄養の推進を行っているコミュニティ人材と、エルサルバドルのコミュニティリーダーがお互いの生活の様子や改善のために起こしているアクションについて共有しあい、学びを深めました。その中で、キチェ県とトトニカパン県のコミュニティを訪問し、コミュニティ人材の活動や経験を見学しました。

キチェ県のXeabajⅡコミュニティでは、コミュニティ人材が地域の妊産婦や母親に実施している栄養改善のための講習会について紹介しました。また、家庭内を整理整頓し、衛生改善を行った結果、子どもの下痢が減ったコミュニティ人材の家庭を視察しました。エルサルバドルのコミュニティリーダーからは、「小さな改善を積み重ねることが、家族全体の健康と栄養の改善につながることを実感した」との感想が聞かれました。

トトニカパン県のTierra Coloradaコミュニティでは、コミュニティ人材から母子栄養改善の重要性や子どもの栄養改善への取り組みについて説明が行われました。訪問した日は、グアテマラ国先住民マヤ族の月暦で「風の日」にあたり、「エルサルバドルからの兄弟が新しい風をもってきてくれた。互いの国の状況は違えども、改善は一人一人の行動から起きる」というグアテマラ側からの発言に拍手が起こりました。

エルサルバドルのコミュニティリーダーは、グアテマラのコミュニティ人材の取り組みに感銘を受け、帰国後、高校に保健委員会を立ち上げる計画を立てました。両国のコミュニティリーダーが膝をつき合わせて対話することができ、今後もそれぞれの国でのアクションを継続するモチベーションを高めることにつながりました。

家庭の衛生改善や台所と寝室の整頓を実践した経験をエルサルバドの参加者に語るコミュニティ人材(左から2番目の男性) (XeabajⅡコミュニティ)

家庭の衛生改善や台所と寝室の整頓を実践した経験をエルサルバドの参加者に語るコミュニティ人材(左から2番目の男性) (XeabajⅡコミュニティ)

食べ物にカバーがされ、整頓されたコミュニティ人材の台所

食べ物にカバーがされ、整頓されたコミュニティ人材の台所

トトニカパン保健管区事務所や農牧食糧省の職員も参加して行われた相互学習の成果発表

トトニカパン保健管区事務所や農牧食糧省の職員も参加して行われた相互学習の成果発表

両国のコミュニティリーダー間のディスカッションの様子(Tierra Colorada コミュニティ)

両国のコミュニティリーダー間のディスカッションの様子(Tierra Colorada コミュニティ)