水と食糧栄養安全保障の祭典における母子栄養コミュニティ人材の取り組み(2023年11月16日)

世界食料デー(10月16日)は、国連が定めた世界共通の記念日です。 その目的は、世界中の人々が協力しあい、最も重要な基本的人権のひとつである「食料への権利」を実現し、飢餓を解決することです。今年のテーマである「水は命」 にちなんで、トトニカパン県のサンタ・マリア・チキムラ市では、市長、市内の19コミュニティの長、女性グループ、若者などが参加して、水と食糧栄養安全保障の祭典が開催されました。

本プロジェクトからは、保健医療従事者と共に生活改善アプローチによる母子栄養改善の研修を修了したコミュニティ人材*が、研修での学びを活かし、祭典の参加者に対して、母子栄養改善について呼びかけました。コミュニティ人材の一人で、1児の母親であるイサベラさんは、スナック菓子ではなく、家庭や地域で収穫できる新鮮な野菜を食べることや、手洗いなどを通じて衛生習慣を改善することの重要性を伝えました。また、急性栄養不良だった子どもが保健医療施設での治療に加えて、家庭菜園を開始し、収穫した野菜を食べることで順調に体重が増加した自身のグッドプラクティス事例について紹介をしました。大勢の前でマイクを持って話すことは初めての経験で、とても緊張していましたが、研修のファシリテーターである保健医療従事者が寄り添いながら、自信をもって自分の経験を発表することができました。

祭典では、他にも水と食糧栄養安全保障の重要性を伝えるパネル展示やビデオ上映、地元アーティストによるダンスなども行われ、参加者は楽しみながら学ぶことができました。

本プロジェクトでは、コミュニティ人材に対して、生活改善アプローチによる母子栄養改善の研修を提供するとともに、育成されたコミュニティ人材による地域での母子栄養改善活動を支援しています。

※母子栄養コミュニティ人材:本プロジェクトは、コミュニティ・レベルでの保健医療従事者によるトレーニングを通じて、コミュニティ人材の能力を強化することを目的としています。コミュニティ人材とは、コミュニティにおけるプライマリ・ヘルス・ケアサービス提供を支援する役割を果たす、既存のコミュニティ・ベースのボランティアです。コミュニティ人材には、保健委員会のメンバーや伝統産婆(コマドローナ)、有志の母親や妊婦などが含まれます。

開会の挨拶

開会の挨拶

保健医療従事者と母子栄養コミュニティ人材によるブース

保健医療従事者と母子栄養コミュニティ人材によるブース

グッドプラクティスの紹介をするコミュニティ人材

グッドプラクティスの紹介をするコミュニティ人材