母子栄養改善に向けた行動変容を促すコミュニティ・ビデオが完成

本プロジェクトでは、コミュニティにおける母子栄養改善のためのプライマリ・ヘルス・ケアサービス提供を支援するコミュニティ人材*の活動を効果的に進めるために持続可能なコミュニケーションツールを作成しており、この度、コミュニティ・ビデオが完成しました。このビデオは、プロジェクトに関わる保健医療従事者や母子栄養コミュニティ人材、そして地域住民自身の実体験を通して、母子栄養改善のための行動変容を促すために作成されました。地域社会のレベルで、母子栄養改善に向けた変化を起こすことができ、地域住民一人ひとりが栄養不良の現状を乗り越える力をもっているというメッセージが込められています。

ビデオ制作に際しては、あらかじめ脚本を用意するのではなく、出演者に母子栄養改善への実体験をとおして、コミュニティの人々に何を伝えたいか考えてもらい、自らの言葉で語ってもらいました。その中で、6人の子どもを抱えるコミュニティ人材の一員である女性は、子どもの一人が急性栄養不良に陥り、子どもを保健医療施設へ連れていきました。そこで、保健医療従事者のアドバイスで、栄養のある食事の重要性を知り、保健医療施設での治療を受けながら、家庭菜園で野菜を育て始め、子どもに栄養のある食事を与えるようになった経験を現地語(キチェ語)で熱心に語りました。

また、保健委員会の代表である男性は、コミュニティの子どもたちが健やかに成長するように、コミュニティ人材研修での学びを活かし、母乳育児を推進するメッセージを発信しました。

コミュニティ・ビデオには、研修後、身の回りの改善からアクションを起こしていったコミュニティ人材の家庭の様子も映されています。キッチン道具や水周りはきれいに整えられており、鶏などの家畜を小屋に入れ、生活空間とは隔離されている生活改善の実践の様子も観ることができます。

ビデオが完成し、コミュニティ向けの研修で放映したところ、参加者からは「ビデオの中の仲間たちは既に母子栄養改善に向けた行動を起こしている。私たちにもできる!」という前向きな反応が寄せられました。このビデオは、同様の取り組みを行う他のコミュニティにとっても示唆に富むものであり、母子栄養改善に向けた主体的な取り組みが、どのようにして実りある成果をもたらすかを示す良い例となっています。今後は、コミュニティ向け研修の中で紹介するほか、プロジェクト活動を伝える様々な機会に活用する予定です。

ビデオは、以下のリンクからご覧いただけます。ぜひ、トトニカパンでのコミュニティの人たちによる母子栄養改善活動の一部をご覧いただければと思います。ビデオには、トトニカパンの文化や風景も収められており、トトニカパンの美しい自然やコミュニティの様子が伝わってくる内容にもなっています!

※母子栄養コミュニティ人材:コミュニティにおける母子栄養改善のためのプライマリ・ヘルス・ケアサービスの提供を支援する役割を果たす、機能しているコミュニティレベルの既存ボランティア。具体的には、妊婦健診や子どもの成長モニタリングのため保健医療施設への受診促進、保健医療従事者と共に妊婦や栄養不良の子どもを持つ家庭訪問への同行、母子栄養改善に関するコミュニティでの栄養教育等を行っている。

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撮影の様子1

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撮影の様子2

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撮影の様子3

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撮影関係者との記念撮影