ペルーの森林モニタリングシステム(1)(2023年11月)

ペルーでは、野生生物や森林資源に関連する活動に携わる公共・民間機関、市民団体などは、国家森林野生生物局(SERFOR)が管理する国家森林野生動物情報システム(SNIFFS)から関連情報を入手できる。右図に示す通り、SNIFFSは異なる情報とサービスを提供する様々なモジュールで構成されており、この内、森林モニタリング機能は、①森林資産モニタリングモジュール(MMPF)と②森林被覆モニタリングモジュールが担っている。①は、人為的森林伐採や違法伐採の監視、森林火災の監視、脆弱生態系の影響の監視により森林減少をモニタリングする森林影響衛星モニタリングサブモジュール(SAMI: SAtélite Monitoreo Impactos del Patrimonio Forestal)1を含め3つのサブモジュールで構成される。

2016年から2021年にかけて実施された「森林保全及びREDD+メカニズム能力強化プロジェクト(ProBosque JICA)(技術協力プロジェクト)」では、SAMIの人為的森林伐採や違法伐採の監視機能の強化のため、欧州宇宙機関(ESA)の光学衛星Sentinel-2とレーダー衛星Sentinel-1の画像を用い、森林伐採検出ツールを開発した。本プロジェクトでは、SAMIの機能や使い易さの強化、森林ゾーニングモニタリングサブモジュールの構築などを通じて、MMPFの更なる発展を目指している。


1 https://sniffs.serfor.gob.pe/monitoreo/sami/

SNIFFSの概念図

SNIFFSの概念図

SAMIプラットフォーム

SAMIプラットフォーム

Sentinel-2画像による森林伐採検出ツール

Sentinel-2画像による森林伐採検出ツール