プロジェクトニュース第4号(伐採事業モニタリングへのモバイル端末の活用)

PNGの林業法や関連する法令では、林道の建設や木材伐採作業などの全ての林業活動は伐採施行規則(Logging Code of Practice、LCoP)および木材許可における天然林伐採の計画策定・モニタリング・管理手順(Planning, Monitoring and Control Procedures (PMCP) for Natural Forest Logging Operations under Timber Permit)に則って行われなければならないと規定しており、PNG森林公社には各林業コンセッションにおける伐採活動がLCoPやPMCPに沿っているかどうかをモニタリングする役割があります。

現在、伐採活動の実施に際して、伐採事業計画は伐採事業体からPNG森林公社に紙媒体によって提出されます。現場においては計画図と現場の状況を比較する必要がありますが、紙媒体の計画上ではしばしば自身の位置を特定することが難しく、モニタリングの難易度や精度に関する課題となっています。またモニタリングの結果は紙媒体の冊子に記録されますが、現場作業を伴うため、文字のかすれや冊子の汚損または紛失などの懸念があります。

現場でのモニタリングにおいて、現在の自分の位置情報と施業計画の情報を重ね合わせることは、モニタリングの難易度を下げ、精度を高めるために極めて有効です。このためには、スマートフォンなどのモバイル端末に事業計画図をコピーし、現場で自分が計画図の上のどこにいるのかを参照できるようにすることが推奨されます。また、モニタリング結果を何らかの方法でデジタル化し、インターネットクラウド上にバックアップする体制を構築しておくと、データの汚損や紛失の恐れが無くなり、またあとからデータの入力を行う必要が無く、加工も容易になります。

本プロジェクトでは、これを目的としたアプリケーションとしてスマートフォンで動作する無料アプリケーションを採用することを推進しており、これを実務で利用可能とするための体制づくり、データの仕様の確定、PNG森林公社のモニタリング職員や伐採事業体に向けた能力強化などを進めています。これらによって、林業法規、LCoP、PMCPの遵守を強化し、持続可能な森林管理が実現されることを目指しています。

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モバイル端末を用いたモニタリングの研修の様子

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モバイル端末上に表示された事業計画図