第三回教員・校長研修を実施しました

ひとりひとりの児童が個人として尊重される学習環境の実現を目指す本プロジェクトにおいて、第1グループのパイロット7校への教員・校長研修も今回が3回目となります。2023年8月末から9月初旬にかけて実施された研修には、パイロット校の教員と校長、また各地域のスーパーバイザー(視学官)合わせて80人ほどが参加しました。

今回の研修では主に、教育技術として、全ての児童の参加や思考を促すハンドサインや思考ツール、児童による自己評価・相互評価、学級経営手法として、学級会(児童の主体的な話し合い活動)を紹介しました。また、板書法や児童のノート、発問技術など今までの研修で扱った内容の実践力の強化のため、日本の実践を踏まえ「授業研究」のやり方を紹介しました。

これまでヨルダンでは教員同士の授業観察は行われてきたものの、目的意識があまり明確ではないようでした。そこで、日本の「授業研究」の取り組みとして、各学校が抱える児童の課題に基づいた研究主題及び研究仮説の設定、改善策の検討、研究授業の実施、授業前後の協議会、研究紀要の作成という1年間のサイクルを紹介しました。日本の手法を参考にすることで、学校全体として課題意識を共有しながら、教員が一体となって課題の改善を目指し、より効果的な取り組みとなることが期待されます。

学級会や児童による自己評価・相互評価の実施は特に低学年においてハードルが高いと思うが、早い段階から自分の考えを表現することや、学習の成果を自分自身で振り返ることは重要なので、自校でも平易な形から始めるなど工夫しながら取り組んでみたいと、研修参加者は積極的な姿勢を示してくれました。児童ひとりひとりが主役の学級、学校づくりのため、ヨルダンにとって有効な手法は何か、協力してくれる学校の先生とともに、引き続き実践を通して検討していきたいと思います。また、第1グループでの経験を踏まえ、第2グループ(30校)への研修も10月から開始する予定です。

モデル授業映像視聴後の協議会の様子。板書内容も確認しながら議論

モデル授業映像視聴後の協議会の様子。板書内容も確認しながら議論

グループで思考ツールなどの教育技術の活用方法を検討

グループで思考ツールなどの教育技術の活用方法を検討

校長研修の様子。各学校におけるPLEACの実践経験を共有

校長研修の様子。各学校におけるPLEACの実践経験を共有