コンサルタントチーム(VET: Valuation Expert Team)による土地新評価手法の提案を合意

2023年12月4日から15日にかけて、コンサルタントチーム(VET: Valuation Expert Team)が資産評価基準部(PVSD: Property Valuation Standards Division)を訪問しました。

2023年6月から実施している状況分析調査を通じ、日本の固定資産評価に関する知見や経験を踏まえてタイにおける現行の土地評価手法の改善方法を検討した結果、以下の事項がVETより提案されました。
①Land Unit(利用状況が類似する土地の集まり)の属性に関するデータの範囲の拡充およびデータの整備
②Land Unitの設定基準の見直し
③取引価格のないLand Unitの評価において、比較の対象とする取引価格のあるLand Unitの選定基準の策定
④取引価格のないLand Unitの評価において、比較の対象とする取引価格のあるLand Unitの評価額との価格格差の判定基準の策定

これらの提案を実現する為の具体的な方法については、本プロジェクト第二期(2024年1月から2025年2月)で実施する5つのパイロット地区での実証テストを通じて確立し、土地評価マニュアルの改訂に反映させることで、PVSDとの合意が形成されました。

※補足:タイの土地評価の仕組み
タイにおける土地評価の現行手法は、利用状況が類似する土地の集まりであるLand Unitに着目して、Land Unit内において観察された取引価格(中央値または平均値)をLand Unitの評価額とする仕組みになっています。

土地評価の現行手法において優先的に改善する事が必要な事項は、取引価格のないLand Unitの評価になります。この評価においては、取引価格のないLand Unitの周辺にあって、土地の利用状況が類似する取引価格のあるLand Unitの評価額を基に、それぞれのLand Unitの道路幅員・奥行・用途等を比較して価格格差を判定していますが、判定の基準や方法等が必ずしも明確でなく、評価者による判断にバラツキを生じさせる原因となっています。

【画像】