【ニューズレターVol.1】デジタルイノベーション促進プロジェクト

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第2回合同調整委員会の様子

今号の内容

  • 第1,2回合同調整委員会を開催
  • 第2地方都市における起業家支援プログラムを推進
  • 行政サービスデジタル化の概念実証を通じて保健省の医療機関ライセンスプラットフォームを開発
  • ICT関連イニシアティブ統合管理能力強化に向けたリーダーシップ開発プログラムの計画・実施を支援
  • コラム1:GovTech産業と公共調達法

第1,2回合同調整委員会を開催:プロジェクトの実施方針・体制・フレームワーク等について合意

2022年9月21日、キガリマリオットホテルにて第1回目の合同調整委員会(以下、JCC)が開催されました。当JCCでは、日ル両国のプロジェクト関係者25名が参加し、プロジェクトの実施方針や体制、各成果における活動項目の詳細、および客観的に検証可能な指標(OVI)について協議・合意しました。続く2023年6月19日、同ホテルにて第2回JCCが開催され、総勢20名で各成果の進捗状況について確認しました。また、プロジェクト管理上の課題点についても議論し、今後のプロジェクトの進め方や意思決定プロセス等についても合意しました。

本プロジェクトは、2017年11月から2020年11月にかけて実施された「ICTイノベーションエコシステム強化プロジェクト」の第2フェーズの位置づけとなります。ルワンダのアフリカにおけるリーディングICTハブになるという政策実現に向けて、前プロジェクト終了時の課題である①ICT起業家の輩出を支える全国レベルでのイノベーションエコシステムの形成、②官民連携を通じた行政サービスデジタル化の促進とGovTech市場の創生、③他機関・ドナーが展開する様々なICTイニシアティブを統合管理する政府職員の能力開発、そして、④市場拡大に向けたイノベーション推進モデル(ルワンダモデル)の構築に向け、関係者一丸となって取り組んでいきます。

第2地方都市における起業家支援プログラムを推進:若手起業家、総勢110名が参加

ルワンダ国内第2地方都市であるフイエ、ムサンゼ、ルワマガナの3拠点において、若手起業家を対象に起業家支援プログラムを開始し、その支援を行っています。2023年7月17日~21日の5日間に渡って行われたアイディエーションプログラムには110名の若手起業家が参加し、各チームが考える事業における課題や競合の分析、ソリューションの仮説、ピッチングに向けた練習等を通じ、起業における実践的なスキルを磨きました。2023年8月18日には、ビジネスアイディアをプレゼンするピッチングコンテストが行われ、総勢39組のチームが発表を行いました。ルワンダ情報化振興局(RISA)の職員と各拠点のマネージャーによる審査の結果、各拠点から上位5組ずつが選定されました。プロジェクトでは今後開催するインキュベーションプログラムに彼らを招待し、更なる起業家の育成を進めていく予定です。

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アイディエーションプログラムの様子

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ピッチングイベントの様子

行政サービスデジタル化の概念実証を通じて保健省の医療機関ライセンスプラットフォームを開発

官民連携によるイノベーションエコシステムの活性化に向け、民間企業との行政サービスデジタル化の概念実証(PoC)が始まっています。デジタル化の対象とすべき行政サービスをリストアップ・選定して、関係機関・省庁との協議の結果、PoCの第1弾は保健省(MoH)が必要とする医療機関のライセンス管理プラットフォームの開発となりました。2023年6月14日、この開発業務の委託に係る公共調達に関心ある企業・スタートアップに対し、事前説明会を開催したところ、延べ50社が参加しました。実際に応札した企業は12社となり、QCBS方式での評価の結果、地場で主に金融系システムに強いITベンダーに決定しました。2023年10月6日には、受注企業含めたプロジェクト関係者一同でキックオフ会議が行われました。今月下旬には開発・試験を終え、運用フェーズに移行する予定となります。

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事前説明会の様子

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PoC1キックオフ会議の様子

ICT関連イニシアティブ統合管理能力強化に向けたリーダーシップ開発プログラムの計画・実施を支援

ルワンダ政府ICTセクターにおける能力開発の活動として、今年度まずは管理職クラスの職員70名を対象として、リーダーシップをはじめとするソフトスキルの向上を目的とした研修プログラムの計画・実施を支援しています。研修プログラムの計画に当たり、2023年9月28、29日にICTイノベーション省(MINICT)ならびにRISAとの調整会議、10月12日にプロジェクト関係者でキックオフ会議を行い、MINICT次官のイーブス・イラドゥクンダ氏からは、このような能力開発プログラムを通じて組織文化の改革を実現したい、また、RISA CEOのイノセント・ムヒジ氏からは、職員一人一人がそれぞれの業務に対するオーナーシップを持ち、しっかり説明責任を果たせるようになって欲しい、等の期待の声が寄せられました。現在、研修の実施に向けた研修ニーズ評価、課題分析、プログラム準備、日程調整等を進めており、2024年1月以降に実施する予定となります。また、研修終了後はその成果についてRISAと評価を行い、ICTイニシアティブ統合管理能力強化計画の見直しや、次年度以降の活動計画策定等に活かしていくことが期待されます。

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キックオフ会議の様子

コラム1:GOVTECH産業と公共調達法

GovTechとは、行政・政府(Government)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、行政・政府が民間の技術を活用して行政サービスをデジタル化・効率化することを指します。本プロジェクトでは、このGovTech産業の創出を進めるにあたり、ルワンダにおける公共調達法(Public Procurement for Innovation、通称PPI)の改正支援を行っています。行政・政府で行われる公共調達は、一般的に参加資格要件を厳しく設定しており、実績のある大企業・外資企業にとっては参入しやすい一方、実績の少ないスタートアップにとっては大きな参入障壁となります。この法改正により実力あるスタートアップが参入する裾野を広げることができ、そこに新たなイノベーションを起こすことが期待されます。また、ルワンダでは予てより行政サービスのデジタル化が進められており、2024年までにデジタル化する予定の行政サービスの数は約1,500であるのに対し、デジタル化が完了している行政サービスは現在約700程度。行政・政府主導による、スタートアップ含めた民間連携の更なる強化を通じて、行政サービスのデジタル化を加速していくことが、今ルワンダには求められているのです。

(参考:JICA「デジタル・イノベーション促進プロジェクト」にみるGovTechの可能性~アフリカの奇跡・ルワンダから、今こそ日本が学ぶべきDX https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/developing-countries-dx/vol01.html


プロジェクト情報発信

JICA プロジェクトページ
https://www.jica.go.jp/oda/project/202005081/index.html

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お問い合わせ

E-mail: sshonai.jica@gmail.com
デジタルイノベーション促進プロジェクト 広報(担当:庄内)