第四号 現地ベースライン調査が開始されました

パレスチナ西岸地区における獣医家畜衛生サービスの改善を目指す本技術協力プロジェクトでは、開始後8ヶ月の期間でベースライン調査を実施します。この調査では、より詳細な現地の状況把握や課題の特定、投入すべき技術や設備の明確化、詳細な活動計画立案が行われます。
また、プロジェクトで構築される予定の家畜疾病サーベイランス体制のトライアルを実施するパイロット県を設定するためには、各候補県の現状把握が欠かせません。

今回の渡航期間中、ナブルス県、ベツレヘム県、ラマッラ県、ヘブロン県の獣医事務所(DVO)を訪問しました。さらに、ヘブロン県にあるCVL(Central Veterinary Laboratory:中央獣医ラボ)およびナブルス県にあるPVL(Peripheral Veterinary Laboratory:地方獣医ラボ)も訪れました。これらの検査機関は、各県から送られてくる疾病疑いのサンプルを様々な方法で検査し、確定診断を行う重要な役割を担っています。
今回、これらの事務所および検査機関では、専門家の現地渡航開始の挨拶を行うとともに、インタビューによる現状や課題の共有、また統計データなどの各種情報提供を依頼しました。相手先機関の関係者は、プロジェクト活動への参画に非常に意欲的であり、我々の訪問をとても歓迎してくれました。

今後は、各担当分野の専門家がさらなる情報収集や専門的な観点からの課題の深堀りを行い、プロジェクトにおける具体的な活動内容を本調査期間中に策定していく予定です。引き続き協力体制を築きながら、全ての関係者が一丸となって、目標達成のために全力を尽くしていくことが期待されています。

ナブルス県獣事務所・PVL訪問の様子

ナブルス県獣事務所・PVL訪問の様子

CVL訪問時の研究所スタッフによる設備・機器の説明

CVL訪問時の研究所スタッフによる設備・機器の説明