カルナフリ上水道整備事業

バングラデシュ国では、都市、地方部とも、設備投資の不足から、給水施設の整備が不十分な状態であった。同国第二の都市チョットグラム市においても、上水道の普及率が50％程度と低く、住民の生活環境に影響を及ぼすとともに、民間投資の阻害要因となっていました。ダッカ市とチョットグラム市の上下水道事業を運営しているチョットグラム上下水道公社（CWASA）は、財務状況が厳しく、小規模な設備投資さえも困難な状況でした。一方、バングラデシュ国政府は、「安全な飲料水を利用できない人口割合を半減にする」の達成を念頭に、国家水管理計画（2004年）において、2010年までに全ての国民が安全な水と下水サービスにアクセスできること、都市部では上水道の普及率を2025年に90％へと上昇させることを目標として掲げていました。このような状況の下、特に、人口が急増し、上水道の需給ギャップが大きいチョットグラム市の上水道整備は、優先度が高いとされていました。この協力では、同市の上水道施設を整備することにより、民生・産業用の水供給の増大を図り、地域住民の生活環境の向上と投資環境の改善に寄与しました。