プロジェクトニュース第29号

2023年3月13日

こんにちは。青年海外協力隊の山本と申します。コミュニティ開発の職種で現地住民(主に農家)の収入向上に取り組んでいます。今回は実際に収入向上を行っているプロジェクトの研修に参加することで、どのように現地の人たちが主体的に関わっているのかを知り、自分の活動のヒントをもらえたらと思い、ホマベイで行われたSHEP Bizプロジェクトの男女農家普及員集合研修に参加させていただきました。

今回の研修は、ミゴリカウンティの農業担当行政官・普及員・農家グループ代表が集まり、一緒に市場調査を学び、実践し、得た情報を基に育てる作物を選定、アクションプランを作るという盛り沢山の内容でした。

この研修に参加してみて、印象に残ったことが2つあります。
1つ目は市場調査を行っている時のことです。グループに分かれて、事前にインタビューアーやタイムキーパーなど役割分担をし、準備をして挑んだ市場調査。マーケットに行って、お店の人に話を聞き始めたら、早々に役割に関係なく、農家さんたちが積極的に質問をし始め驚きしました。今まで、市場調査をしたことがなかったこと、お店の人が色々答えてくれると思っていなかったことから、当初は緊張した様子の農家でしたが、機会を作ることで農家が積極的に情報を得ようと変化する姿はプロジェクトの醍醐味だと感じました。
そして、もう1つ、作物選定の場面も印象に残っています。市場調査に行ったグループで、作物選定の話し合いを行いました。ワークシートを使い、市場調査で得た情報を整理して、どの作物を選んだらどのくらいの期間でどのくらいのコストがかかり、どのくらいの利益が出るのか、みんなで計算したあとに、投票で育てる作物を選びました。利益は小さいけど、育てた経験があり、リスクが少ない作物を選ぶか、利益は大きいけど、育てた経験がなく、手間暇がかかり、リスクの大きいものを選ぶか。一人ひとりが思っていることを発言し、それぞれ1票で投票、最終的に利益が大きいものを1つ、利益が小さくても堅実な作物を1つ選んでいました。これまでは食べたい作物や育てたことがある作物、種を持っているという理由で栽培する作物を選んでいましたが、様々な情報を整理したうえで作物を選定している農家さんたちの姿はまさにプロジェクトの伝えたい「売るために作る」を理解し、実践しているようでした。

今回の研修を通じて、これまで私一人で行い情報共有をしていた市場調査を、現地の人たちと一緒にする機会を作りたいと思いました。農家自身が市場のニーズを見聞きすることで、よりリアルに状況を理解し、能動的に動いていけるようになってもらえたら嬉しいです。また、ワークシートを利用したワークショップは考えていることを整理しやすく、考慮してほしい内容に焦点を当てられるので、考え方を伝える際には便利なツールだと気づきました。私もワークショップを行うときの選択肢の一つとして、活用していけたらと思いました。

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市場調査をしているときの様子

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作物選定のために情報を整理しているときの様子