第1回障害物調査の実施

2015年3月10日

プロジェクトの成果2では「DCAのPBN飛行方式の導入・実施に係る能力が向上する」を目標としており、ミャンマー国内の17の空港に新飛行方式(性能準拠型航法(注))を導入するため飛行方式設計者の育成に取り組んでいます。これまで無償資金協力案件にて、飛行方式設計ソフトウェアの供与、飛行方式にかかる基礎訓練、ソフトウェアのオペレーション訓練などを実施し、着実に成果が上がっています。
今後、本格的に飛行方式設計に取り組むため、プロジェクトでは飛行方式設計にかかるオン・ザ・ジョブトレーニングを実施していく予定です。今回、その第一歩として、ネピドー国際空港(2015年1月15日、16日)と、ヘホー空港(2015年1月21日、22日)の2空港にタスクフォースメンバーである飛行方式設計者と供に赴き、対象空港の情報収集及び障害物調査を実施しました。

【画像】

滑走路末端の座標計測の様子

【画像】

空港関係者への聞き取り調査の様子

空港に飛行方式を導入するためには、空港周辺の障害物の高さや位置(WGS84座標)、滑走路末端の座標などの情報が必要になります。また、現地の管制官とのインタビューを通して空港に飛来する航空機がよく使う航空経路、空港周辺の風速、風向、霧の発生頻度など、航空機の運用にかかる情報を収集しました。

【画像】

滑走路から北東15kmに位置するパゴダ

仏教国であるミャンマーでは、至るところにパゴダがあり、空港近くに大きなパゴダがあることも珍しくありません。設計初期の段階では、このような建物の存在を把握し、概念設計に反映することが重要になります。プロジェクトでは、今後、現地で収集した情報をもとに概念設計(導入する方式の図式化)を行い、管制官や航空会社に対する関係者会議を実施する予定です。

(注)性能準拠型航法とは、航空機が自ら地上の航行援助施設やGNSS(GPSやGLONASSなどの測位衛星)の情報から高い精度で自機の所在を確認しながら飛行する新しい航法です。衛星からの情報を活用することで地形に影響されない自由で柔軟な航空経路が設定できるため、経済的な航空路の設定が可能となり、また空域の有効利用も図ることができます。