No.2:ファシリテータ研修を自治体職員向けに実施しました

2015年6月12日

前のニュースでもお伝えしたとおり、プロジェクトでは、3月〜6月に、キリマンジャロ州の3県(ハイ県、シハ県、サメ県)で郡ファシリテータと県タスクフォースメンバーを養成するための研修を行いました。
広大な国土を有するタンザニアでは、地方行政だけで地域の開発を十分に実施・維持していく事は非常に困難です。また自治体の職員数も十分ではありません。そこでは、行政と住民が協力して開発を進めることが重要で、住民による主体的な開発への取り組みが求められています。
この研修のねらいは、参加者が、地域行政や地域コミュニティなど「地域社会の開発」という考え方と、地域コミュニティの自律的・持続的な開発に必要な「地域コミュニティの能力形成」の重要性やその具体的な方法を理解することです。そして、研修を受けた農業、畜産、教育、コミュニティ開発などの郡普及員が、郡ファシリテータとして住民主体の開発活動をサポートする役割を担っていきます。
また、県タスクフォースメンバーには、郡ファシリテータをサポートするとともに、自治体としてO&OD事業を普及するための制度整備を進める役割も期待しています。

【写真】地域社会のしくみや地域コミュニティの能力強化に向けた参加型開発の知識を伝えるのがクラスセッションです。

【写真】グループディスカッション。この研修の特徴の1つとして、「参加者自身が自らの経験をもとに考える」というプロセスを大切にしています。

【写真】フィールドセッション。研修参加者は、クラスセッションでの知識をもとに、各自でコミュニティの住民活動などの情報を収集します。写真は、村の女性グループの方から話を聞いているところです。今回は、タンザニア各地で活動するコミュニティ開発の協力隊員の方々も参加してくれました。

【写真】フィールドセッションでは、O&ODチーム・メンバーが直接現地に赴き、フィールドでの課題に対し、どのようにして取り組むと良いか、どのような点に注意すべきかといったアドバイスをします。

【写真】フィールドセッションでは、プロジェクトで養成したシニアファシリテータ(左側の二人)と呼ばれる経験豊富なファシリテータも、研修参加者をサポートします。

【写真】経験豊富なシニアファシリテータ。彼らが研修アシスタントとなって座学とフィールドでの研修をサポートしてくれます。

【写真】プロジェクトチームのメンバーも研修講師となるべく、この研修に講師として参加しています。

【写真】研修最終日の修了式では、参加者に修了書が授与されました。

今後、この研修を受講した参加者には、地域のニーズや状況に適した効果的で持続的な開発を実現するため、地域住民の一層の参加促進と、行政による継続的なサポートを担っていくことを期待しています。そのために、O&ODチームとしても対象自治体を継続的にサポートしていきます。