柱3:外国人材との共生社会構築

目的

  • 外国につながりのあるあらゆる人が、日本社会を共につくる一員として包摂され、安全に安心して暮らすことができるようになることを目指す。

取組方針

  • 「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」等を踏まえ、 国内拠点、国際協力推進員等を軸として、市民参加協力事業、民間連携事業、開発教育支援、研修員・留学生事業、技術協力、JICA海外協力隊による社会還元等を組みあわせながら国・地方自治体・NGO等が実施する共生社会の構築に向けた取組を促進・支援する。
  • ニーズが高まる国内の共生社会構築や日本語教育等の課題解決に貢献する人材の継続的な養成・確保に向け、国際協力経験者が多文化共生の担い手として継続的に活躍するための方策についても検討する。
  • JP-MIRAI事業への支援を通じ、企業による責任ある受入れを促進・支援する取組を推進する。具体的には、外国人労働者への情報共有、「ビジネスと人権」にかかる啓発、企業による救済メカニズムの立ち上げを支援する。

JICAの取組み事例

「つなぎ役」として地域が抱える課題解決を後押し

国際協力推進員(外国人材・共生)の配置

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国際協力推進員は、地域課題に取組む「地域のJICA窓口」として1996年度以来、全国都道府県の地域国際化協会・国際交流協会・地方自治体に加え、JICAと協働する団体等に配置しています。
また2020年度には、日本国内における外国人材の増加を踏まえ、地域の外国人材受入れや多文化共生にかかる課題解決のための取組みを推進する国際協力推進員(外国人材・共生)を設置し、外国人材受入れへの関心の高い地域の地方自治体や国際交流協会等に配置しています。

地域のステークホルダーとの連携

「地方創生」と連動した複合的外国人材受入支援モデル -釧路アプローチ-

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釧路・根室管内の多様な「地方創生」の取り組みに、JICAが持つ多様な人材や事業を複合的に組み合わせて、管内の外国人材受入・多文化共生社会構築を支援するモデルです。
管内の地方自治体や札幌出入国在留管理局釧路港出張所とも連携し、地域で活躍しているJICA海外協力隊OBOGや地域おこし協力隊、外国人材、地域団体と一緒に、JICAfeイベントやリレー型オンラインサロンを実施し、共生社会の構築、地域の関係人口創出、外国人材を活用したインバウンド誘致、町の基幹産業を支える外国人材の活躍発信等に繋げています。

防災分野での多文化共生の担い手育成~地域の防災力向上を通じた共生社会の実現~

JICA関西は、日本での在住者が急増しているベトナム人の防災力向上を目的に、防災リーダー育成を行っています。ベトナム人社員・実習生が所属する企業の協力のもと、外国籍従業員を雇用する企業や自治体、国際交流協会などからも参加いただき防災研修を実施しています。
日本は、その位置・地形・地質・気象などの自然的条件から、地震や台風をはじめとした数多くの自然災害が発生する国であり、実際に日本で災害に遭った際、多言語での効果的な情報収集の方法が伝えられました。
研修は、研修受入企業、企業所在地の基礎自治体、府の国際化協会及び地域の防災士と連携して開催し、複数回の研修を通じて「外国人防災リーダー」を育成しました。最終的には地域社会の、外国人を含む災害時協力体制構築の一助となることを目標としています。

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中南米の日系社会との「懸け橋」:日系社会研修「多文化共生推進/日系協力型」 
愛称:日系サポーター

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日本国内の日系人集住都市に中南米から日系人をJICA研修員として受入れ、保育園、幼稚園、小中学校、自治体、NGO、企業などで研修を受けながら自らの専門性を磨くとともに、日本国内で課題を抱える在日日系人のために日本語/母国語サポーター、ソーシャルワーカー、相談役といった役割も果たし、在日日系人のサポート、日系人集住都市の多文化共生・地方創生に貢献する事業です。また、日系人自身の専門性強化を通じた帰国後の中南米地域の開発にも資することが期待されます。

外国につながる子ども・若者のキャリア支援

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外国人材の増加に伴い、外国につながる子どもたちの数も増加しています。JICAは自治体、教育機関、NGO/NPO等と連携し、外国につながる子ども・若者のキャリア支援にも取り組んでいます。
北海道では、在住地域が散在し、またそのルーツが多様化している中、教育関係者を中心に、それぞれの立場で、地域で、教室で何ができるかを考えることを目的としたオンラインセミナーを実施しました。横浜では、長く外国につながる子どもの支援に携わってきたNPO法人と、神奈川県教育委員会との共催で、教育フェアを開催しました。先輩の体験談紹介、個別相談の他、多様な進路を知り、自分にあったキャリアを考えるための情報提供を行いました。また、東南アジア・南アジア・中南米各国のうち、神奈川県内の小中学校に多く在籍する11か国を対象として、各国の教育制度・学校文化に関する調査を実施し、ガイド集を取りまとめました。

その他、JICAがこれまで途上国で理数科を中心に教科書等の教材開発を支援してきましたが、これらの教材を「国際公共財」と位置づけ国内外で広く活用いただくことを目指し、教材掲載ページをJICAや文科省HPにも掲載する取り組みも行っています。

関連する情報:各国内機関の調査報告書等