【モンゴル⇔東京都】私の当たり前 あなたの当たり前 ~モンゴルから学んだこと~-豊島区立千登世橋中学校

2024年2月29日㈭、豊島区立千登世橋中学校1年生約120名は、モンゴルで活動している神宮佑紀さんから「私の当たり前 あなたの当たり前」というタイトルでお話をうかがいました。モンゴルの雄大な牧草地の写真の紹介から始まり、それに続いた自己紹介の中で、「中学校の時に給食が大好きだった。それが今こうして栄養士として働いている。子供のころのやりたい!という思いを大切に」と呼びかけられました。

モンゴルの給食事情についてお話を聞かせてもらいました。世界には飢餓と過栄養が混在していますが、モンゴルでは「一日の食事が給食だけという児童がいる一方で肥満の児童もいる」「食料(栄養)に偏りがある」「衛生状態が悪い」という3つの課題があります。そして実際に公立学校の給食で提供されている「ミルク粥+ビスケット」「肉うどん+ジュース」「肉あんかけご飯+お茶」の写真をみせていただきました。「みんな、これで足りると思いますか?」との問いかけに、生徒たちが考え込んでいる姿が印象的でした。

続いて、モンゴルの主食についてのクイズ。答えは「肉」でしたが、正解した生徒は少なかったです。また、モンゴルについての紹介もありました。ハルハ族が多いこと、冬はマイナス30-40度にもなるとても厳しい気候であること、人口ピラミッドは釣鐘型で、日本とは逆の構造であること、チベット仏教が広く信仰されていて、寺院は日本と異なりカラフルであること、夏の祭典「ナーダム」は国をあげての盛り上がりをみせること、正月とクリスマスは一緒に祝うこと、例え小さい子でも頭をなでることはタブーであることなどが紹介されました。その中で、モンゴル語の「こんにちは」である「サェンバェノー」を一緒に練習したりもしました。

そして、いよいよ本題であるモンゴルの「当たり前」についての紹介がありました。家は「ゲル」と呼ばれるタイプが一般的です。フェルトでぴっちり覆われているため、寒さが厳しいモンゴルでもとても暖かいそうです。学校は子供の数が多い割に学校の数が少ないため2部制になっていて、それによって家庭での勉強が必然的に増えてしまいます。女の子は3歳までにピアスをするそうです。日本とは違いますね。

ここで、日本では当たり前でも外国からみたら当たり前ではないことについて議論する時間をもちました。それぞれの「当たり前」がずれている時はどうしたらよいのか、との生徒からの問いかけに対し、神宮さんは「違いを楽しんだり、相手を理解しようと思うことが大切」と語りかけました。「ひとりひとりの『当たり前』があります。人の数だけ『当たり前』があります。対話する勇気を持ちましょう。」とまとめました。これから世界に大きく羽ばたいていく千登世橋中学校のみなさんの心に、強く、そして大きく響いたことでしょう。

(以下写真は、講師・依頼主双方から、webサイトでの使用許可をとってあるものです。写真は、必要に応じて一部加工しています)

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「対話する勇気をもとう」そのメッセージは、広く世界に通用するメッセージです。

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当たり前が違う、そんなことは私たち日常のいたるところに転がっています。そんな時どうするか。神宮さんの問いかけは、私たちの日常を見直すきっかけも与えてくれました。