【キルギス⇔富山県】「キルギスと日本と私」となりのだれかが一番身近な異文化理解-富山市立大久保小学校

2024年3月7日、富山市立大久保小学校の5年生の児童約70名に皆さんに向けた、JICA国際協力出前講座を行い、JICA海外協力隊員の伊藤友里さんからキルギスについて学びました。

まず、伊藤さんは山間の馬が放牧されている写真を使い、キルギスの紹介からお話を始めました。文字はロシアで使っているものと同じであること、食べ物は大きな「ナン」がとてもよく食べられていること、日本からは飛行機の直行便はなく、韓国やトルコなどを経由する必要があること、面積は日本の約半分、人口は愛知県より少し少ないこと、人種はほとんどがキルギス人、宗教は主にイスラム教だが、戒律が厳しいわけではなく、比較的暮らしやすいこと、国旗は伝統的な家である「ユルタ」の天井を形どったものであること、識字率はほぼ100%であることを紹介していただきました。また、言葉については、町ではキルギス語は話されているが、都市の学校ではロシア語が教えらていることを教えていただきました。

ここで、キルギス語の言葉をみんなで練習しました。「こんにちは(サラム)」「ありがとう(ラフマット)」「さようなら(パカパカ)」の3つを恥ずかしそうに、また楽しそうに言い合う児童の顔が印象的でした。

また、写真を使って町の様子も紹介していただきました。通りでは果物のジュースがよく売られていること、また都市と地方ではかなり様子が違うこと(地方は山に囲まれ、馬は羊が放牧されているようなのどかな町が多い)。

次に、伊藤さんの職場である第68番小学校の様子の紹介をしていただきました。小学校・中学校・高校が同じ建物で勉強しており、小学校1年生から高校2年生までクラス替えがないこと、生徒数が多いので、2部制であること、新学期は9月から始まること、机や椅子が不足しているため、みんな分け合って使っていることを教えていただきました。

また、キルギスの人々についても話していただきました。人々は「おもてなし上手」であること、たくさんの料理でもてなしてくれること、料理は肉がメインであること、初めての人でもどんどん家に招き入れることを教えていただきました。

最後に伊藤さんからの問いかけがありました。伊藤さんはキルギスにきて「となりのだれかが一番身近な異文化理解」ということを学んだそうです。「異文化理解」とは、何も遠くまででかけなくても、日本にいながら自分の近くにいる人の考えや意見を学ぶことも立派な異文化理解。それをキルギスに来る前に学んでいたら、もっと違った人生があったかもしれない、と語った伊藤さんの表情が印象的でした。

その後、20分程かけて伊藤さんの自宅から職場まで徒歩で移動しながらキルギスの町の様子を見学しました。また、小学校についてから、伊藤さんのクラスの児童達と交流する時間をもちました。両児童は、楽しく笑いながら自国の文化紹介などをゲームやクイズを通して学んでいました。大久保小学校のみなさんにはどんな「異文化理解」だったのでしょう。

講座終了後には、「日本と他の国では文化に違いがあることが分かって面白かった。」「キルギスだけではなく、他の国についても知りたくなった。」「日本では当たり前のことでも、国が違うと当たり前ではないことがあることを知った。」等の感想が児童から寄せられました。

(以下写真は、講師・依頼主双方から、webサイトでの使用許可をとってあるものです。写真は、必要に応じて一部加工しています)

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おもてなし上手のキルギスの方々。

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「となりの誰かが一番身近な異文化理解」印象的な言葉でした。