[特集]現役隊員も参加のメリットがたくさん
OV会&職種別グループで先輩隊員とつながろう

お話を伺ったのは「なんでも職種」グループ
小杉尚子さん
主担当
(公社)青年海外協力協会
小杉尚子さん

ザンビア/理数科教師/2002年度2次隊




保坂 都さん(旧姓:佐藤)
副担当
青年海外協力隊事務局
保坂 都さん(旧姓:佐藤)

ウガンダ/家政/2007年度3次隊




あらゆる職種を知り、視野が広がる
課題別支援「なんでも職種」グループ

編集室 職種ごとのOV会は、悩みの共有がしやすいですね。一方で、協力隊の職種は90種類以上ありますから、LinkedInグループの職種に、自分の職種がない方もいます。

保坂さん そのような方々に利用していただいているのが、どの職種の隊員でも入れる「なんでも職種」グループです。なんでも職種グループでは、通常のグループ内での書き込みのほか、これまでに2回オンライン形式の座談会を行ってきました。

小杉さん 1回目の座談会は昨年5月です。『技術移転なんて無理!?協力隊のマンパワー問題』をテーマに、番組制作の職種でベトナムのテレビ局に派遣中の隊員に登壇してもらい、ご自身の活動を発表してもらいました。

   現場のさまざまな課題が見えてくる赴任8カ月目だったので、すぐに技術移転は難しいと判断して、どう行動したかをお話ししてもらいました。

編集室 編集職種の技術専門委員として編集室からも参加させてもらいましたが、このテーマは職種の区別なく、派遣された協力隊員の多くが感じる悩みとあって盛り上がりましたね。

なんでも職種グループのLinkedInグループ。この小杉さんの投稿のように、情報共有の場として使われることもある

なんでも職種グループのLinkedInグループ。この小杉さんの投稿のように、情報共有の場として使われることもある

小杉さん 発表者の隊員の場合は、担当のテレビ番組の知名度を上げるべく、ベトナム人スタッフをインフルエンサーにしたかったそうですが注目を浴びるのが難しかったため、「自分が日本人インフルエンサーとなってまずは番組のファンを増やすところから始める」ことを決意し、フォロワーを増やしたといった経験談を話しました。聞いていた他の現役隊員からは、SNSを駆使した活動の仕方などの質問が次々に挙がりました。

編集室 先輩隊員からは技術移転の前にカウンターパート(以下、CP)にやる気を持たせるために自分が取った方法として、CPがさぼっている時に自分も姿を消してさぼっているように見せかけ、危機感を感じたCPが自分から動くようになったといったアドバイスも印象的でした。

保坂さん SNSを活動に取り入れる隊員も増えてきていますから、他の隊員がどうしているのか、皆さん興味津々だったのではないでしょうか。

小杉さん 2回目の座談会は昨年9月で、観光職種でセルビアとヨルダンに派遣中の隊員2名の情報提供の下、行われました。「配属先でターゲット設定がされておらず、戦略が立てづらい」ことや、「いいコンテンツやツールがあっても活用されていない」といった課題について、他の隊員から多くの意見が出ました。同じ職種間でなければ問題解決ができないわけではなく、共通の悩みがたくさんあることが 分かりました。

   希少職種の方は同期や同じ派遣国に同職種隊員がいないケースが多いため、職種に関する悩みや、他の人はどうしているのだろう?という疑問を共有する場がなかなかありません。国と隊次を超えることで、同じ職種の隊員を見つけ、つながることが可能です。

   また職種が違っても、悩みを共有することで、違う視点からアドバイスをもらえることもあります。

保坂さん 今後、座談会は少し間が空いてしまったので、テーマを決めない会を一度実施して、次のテーマを探したいと思っています。

   LinkedInグループは引き続き、ちょっと寂しくなった時にのぞいて見られるような、アットホームな空間にしたいと考えています。事務局側からの投稿としては、どんな職種でも役に立ちそうなセミナーのご案内や課題別派遣前訓練の様子を投稿していきますので、現役隊員の方々も、派遣国の様子や活動報告を気軽に投稿してもらえたら嬉しいです。

なんでも職種

対象:希少職種、他にグループがある職種の方も歓迎

登録数:隊員115名、OVなど32名(2023年4月10日現在)

平均投稿数:12件/月

内容:15グループに入らない職種の隊員を対象としたグループ。共通の派遣国や職種の隊員らの、隊次を超えたつながりを目指す
https://www.linkedin.com/groups/12536373

その他の課題別支援LinkedInグループについて知りたい方は、こちらの記事から

Text = ホシカワミナコ(本誌)   写真提供=小杉尚子さん、保坂 都さん

知られざるストーリー