アフリカの開発課題におけるEBPM(エビデンスに基づく政策形成)
- 日時
- 2022年8月25 日(木)17:00-18:30(JST)
- 分野
- 政策
- 形式
- オンライン開催
- 共催
- アフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)
背景
エビデンスに基づく政策立案(EBPM)は、開発政策の策定と開発プロジェクトの計画においてますます重要になっています。具体的には、統計的に厳密な方法を用いて、過去の政策やプロジェクトの効果を定量的に評価することが重要です。その結果は、将来の開発方針とプロジェクトにおけるエビデンスとして活用されます。アフリカ地域においては、健康、教育、インフラなどの問題について、計量経済学を用いた実証分析の結果が蓄積されています。さらに、アフリカはCOVID-19、デジタル化、気候変動といった大きな転換点に直面しています。このような状況では、将来の政策立案とプロジェクト計画において、エビデンスがさらに大きな役割を果たすことが期待されます。
JICAはこれまで、アフリカ諸国の開発問題の解決に貢献できるエビデンスを提供してきました。JICAがその有効性を検証したプロジェクトには、村落衛生、地方道路、スポーツを通じた信頼の構築、農業開発における市場アプローチが含まれます。これらの検証結果から、アフリカ諸国における将来の開発政策やプロジェクトを計画するための教訓を引き出すことができます。
AUDA-NEPADは、政策決定をサポートし、その知識を活用して将来の決定をより適切に行うためのプログラム評価に関する情報を有しています。具体的には、アフリカが直面している現代の問題に基づいて、デンバー大学と共同で調査を実施し、加盟国の開発と経済成長を支援するためのアフリカの選択に関する4つの転換の分野を明らかにしました。
一方で、実際の政策立案・実施におけるEBPMの導入・拡大は必ずしも順調に進んでいるとは限りません。これは、追加費用や意思決定プロセスでの対立などの問題によるものです。これらの課題を克服するために、AUDA-NEPADと協力して、アフリカの開発のプラクティスにおいてEBPMを実装する方法についても議論します。
キー・クエスチョン
- アフリカの開発に関する実証研究の最近の成果は何か?
- 研究からのエビデンスは,アフリカ地域の将来の開発政策立案・プロジェクト計画にどのように適用されるべきか?
- 将来取り組むべきアフリカの実証研究ニーズの方向性は何か?
目的
JICA緒方研究所、AUDA-NEPAD、および地元の研究機関に所属する研究者によって生み出された最新のエビデンスを、アフリカ諸国の政策立案者・実務家・研究者と共有します。また、これらのエビデンスの将来の開発政策立案・プロジェクト計画への適用可能性、および将来取り組むべきアフリカの実証研究ニーズの方向性について議論します。
登壇者
- 牧野 耕司
- JICA緒方貞子平和開発研究所 副所長
- 清水谷 諭
- JICA緒方貞子平和開発研究所 上席研究員
- ゼリフン・バルハン
- アジスアベバ大学 アフリカ・アジア研究所長 准教授
- ダニエル・ムココ
- キンシャサ大学 経済学部 教授、コンゴ民主共和国 元副首相
- アリゼ・ル・ルー
- 安全保障研究所 シニアリサーチャー
- パムラ・ゴパウル
- アフリカ連合開発庁 シニアプログラムオフィサー、Policy Bridge Tankリードコーディネーター

※参加登録の締切は、8/24(水) 17:00(日本時間)となります。