私の要請内容はスリランカの中央州でのラグビーの普及と育成です。普及とは基本的な競技レベルの底上げと安全性の向上、育成とは選手や指導者たちがラグビーを通して自分で考え、判断する能力を伸ばすことです。
元々の対象は子どもから代表レベルの選手、指導者まででしたが、実際は子どもたちと、その学校の指導者を対象に活動しています。子どもたちの年齢は12歳から19歳くらいまでです。私はスリランカの小中高の一貫校を含め全部で10校ほどを担当しています。

スリランカの小・中・高校で
ラグビーを教え1年11ヵ月。
子どもたちにラグビーの楽しさを
教えながら、現地の指導者と共に、
競技のレベルアップに励む。
私の要請内容はスリランカの中央州でのラグビーの普及と育成です。普及とは基本的な競技レベルの底上げと安全性の向上、育成とは選手や指導者たちがラグビーを通して自分で考え、判断する能力を伸ばすことです。
元々の対象は子どもから代表レベルの選手、指導者まででしたが、実際は子どもたちと、その学校の指導者を対象に活動しています。子どもたちの年齢は12歳から19歳くらいまでです。私はスリランカの小中高の一貫校を含め全部で10校ほどを担当しています。
最初に気付いたのは練習に来ない、来てもずっとしゃべっていて練習しないという点。これはラグビー以前の問題だと思ったので、まず子どもたちと話をして意識を変えることから始めました。それまでの「一方的にコーチから言われる、それができない、楽しくない、自信が持てず弱いまま」という悪循環を断ち切るため「自分たちで考えて練習やプレーをしよう」と伝えました。
具体的にはタックルの練習を一番しっかり行いました。高いタックルが多かったのです。
高いタックルは危険な上、反則も取られてしまい、結果として負けにつながります。指導者は「高いタックルはするな」と教えますが、子どもたちは「なぜ高いタックルがいけないのか」を完全に理解していないため、修正できずにいたのです。
低いタックルを教えると、相手の重心よりも低いところで勝負できるため、小さな子でも大きな子を倒せるようになり、自信をもってプレーをし始めました。私の帰国後も同じ指導が続くよう、一方的に子どもたちに教えるのではなく、現地の指導者と一緒になって考え、練習方法を改善していきました。
さらに、一流選手を身近に見て学べるイベントを企画。日本ラグビーフットボール協会の協力により、女子セブンズ日本代表選手によるラグビークリニックを開催したのです。子どもたちは特にキャプテンである中村知春選手の、周りの選手に声をかけながら練習を引っ張っていく姿や、改善点を話し合って練習をより良いものにしようとする姿勢に感銘を受けていました。
ここまで本格的な指導経験が無い状態でスリランカに派遣されましたが、ラグビーの指導者としてすごく成長できたかなと感じています。ここでの2年間の経験を生かせる仕事をしたいと思っています。
具体的には、自分の経験を日本の教育現場に還元したいです。地元に帰り、高校のラグビー部で指導者になりたいです。
また、2019年にはアジアで初、歴史的な大会となるラグビーワールドカップ2019が日本で開催されますし、2020年には東京オリンピック・パラリンピックもあります。スポーツを通じた国際交流の重要性は高まっていますので、今の経験を生かして、ラグビーにはずっと関わっていきたいと考えています。