池上彰さんからのメッセージ

 私は開発途上国で青年海外協力隊の人たちの活動ぶりを見てきました。電気も水道もないところで一生懸命働いている若者たちの姿を見て、本当に感銘を受けました。どうすれば現地の人々の暮らしが豊かになるのか、衛生状態がよくなるのか、また、それを現地の人たちにどのように示せばいいのか、皆さん試行錯誤していました。一方で私は、彼らがその“試行錯誤”をする過程で、“マネジメント能力”がどんどんついている、ということを実感しました。現 地の人たちと協力しながら、「どうやって社会を動かしていくのか」、と考え、行動していく力がめきめきとついている。青年海外協力隊の人たちは、もちろん開発途上国の人たちのために働いているわけですが、実は、その働くことによって自らもどんどん成長しているのだと感じました。

池上 彰さん

 なぜ開発途上国を支援するのか、と言う声もあります。しかし、私は現在の開発途上国を見て、高度経済成長期の日本を見るような思いをしています。なぜあのときの日本がここまで発展することができたのか。実は、海外からの様々な援助によってそれが成し遂げられました。今度は私たちの番なのだと思います。

 開発途上国の未来を築いていくこと。それが、結局は日本の未来にもつながっていく。青年海外協力隊はそんな活動をしているのだという印象を受けました。

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