株式会社ビィ・フォアードビジネスもボランティアも向かう所は同じ

  • グローバル人材の育成・確保
  • 開発途上国へのビジネス展開

アフリカの青年海外協力隊経験者を採用

中古自動車の輸出を主な事業とする当社が、アフリカへの輸出を開始したのは2008年です。それから5年ほどの間で同地域への輸出は急成長し、昨年度の台数は年間約8万台。当社の輸出総台数の8割を占めるまでになっています。そんななかで昨年、当社として初めて青年海外協力隊経験者を採用しました。タンザニアで村落開発普及員として活動した女性です。同国には現地事務所も置いており、当社にとってアフリカのなかでも特に重要な国の一つ。彼女の人間としての資質に加えて、現地の事情に詳しい、あるいは現地のスワヒリ語を使えるといった点に着目しての採用でした。彼女にはこれまですでに、スワヒリ語による広報宣伝や、タンザニアで開かれる商業祭への出展の運営など、青年海外協力隊の経験を生かした業務に携わってもらっています。

 自ら望んで途上国に赴き、そこで何かを成し遂げようと志す人は、日本人のなかに決して多くはないと思います。それを実行した人は、必ず他の人にはない何かをお持ちでしょう。たとえば、前述の女性社員の仕事ぶりを見ていると、人並み以上の精神的なタフネスが備わっていることを感じます。何に対しても、嫌なそぶりを見せずに笑顔で取り組んでくれる。

 彼女の採用をきっかけに、JICAが求人情報サイト「PARTNER」のなかで、青年海外協力隊経験者を対象にしたページを設けていることを知りました。当社は今後、アフリカや中南米、モンゴルなど青年海外協力隊員が派遣されているような地域への輸出がますます伸びていくと見込まれますので、この求人情報サイトを活用させていただきながら、さしあたり10人程度の規模で青年海外協力隊経験者を採用したいと考えています。

取締役
末盛 貴弘さん

青年海外協力隊経験者の創造性や自発性に期待

当社では、営業ノルマのようなものを設定して、社員に「これをやりなさい」と上から仕事を与えるということはしていません。事業のアイデアを自分で考え、実現することを社員に求めているのです。そのアイデアは、必ずしも直接自動車の販売台数が増えることにつながることでなくても構いません。最終的に当社の利益に結びつくような事業であるならば、社としてそのアイデアを評価し、実現に向けて後押しをしようという風土があります。社員のなかには、「売ること」が好きだという社員もいるだろうし、相手国で当社の知名度を上げるような社会貢献活動を行うことに興味があるという社員もいるでしょう。自分が得意なことを当社の事業になんとかして結びつけ、「私はこういう仕事をやりたいです」と発信できるかどうかが重要なのだと思います。

 「私はこういう仕事をやりたいです」という意思を示すことは、実は誰にでもできることではありません。どれだけ仕事を抱えていても、事業のアイデアを生み出し、実現する人がいる一方で、たとえどんなに時間があっても、なかなかアイデアを生み出すことができない人もいます。青年海外協力隊員としてボランティア活動に取り組んだ人に期待するのは、「私はこんな仕事をやりたい」と考え、発信する創造性や自発性です。ボランティア活動とは、自ら仕事を見つけ出し、それを実行するものにほかならないからです。

 われわれの仕事のやりがいは、やはりお客様に喜んでいただけること。古いけれどもまだ十分に乗ることができる自動車を仕入れて、アフリカなど途上国の方々に安価でご提供する。それによって、彼らの生活が便利で豊かなものになる。そうした意味では、青年海外協力隊のようにボランティアとして途上国の方々のために何かをすることと、向かう所は同じなのだと思います。ぜひ、多くの青年海外協力隊経験者がわれわれの仲間となって、今度はビジネスの枠組みのなかで途上国の方々のために情熱を注いでいただければと思います。

PROFILE

株式会社ビィ・フォアード
設立:2004年
所在地:東京都調布市布田4-6-1 調布丸善ビル8階
事業内容:越境ECサイト運営、中古自動車の輸出、生活消費財の輸出
従業員数:210人(2018年12月現在/うち協力隊経験者は6名)
HP:http://corporate.beforward.jp/company/
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