イー・アール・エム日本株式会社厳しい環境でこそ培われる
グローバル人材としての力

  • グローバル人材の育成・確保
  • 開発途上国へのビジネス展開

コンサルティング事業は「人」がすべて

当社は、環境・社会・労働安全衛生の各分野を専門にコンサルティングサービスを提供する会社で、40カ国に拠点を持つ英国のグローバル企業「ERMグループ」の日本法人です。

 コンサルティング事業のリソースは「人」に尽きます。質の高いコンサルティングサービスを実現するためには、専門的な知識だけでなく、熱意や柔軟性、失敗から学ぶ姿勢など、人間としての力を持つ人材の確保が必要であり、社員を採用する際にもその点を重視しています。当社の場合、世界中にネットワークを持って事業を展開する企業の一員であることから、お客様は日本の企業や政府機関だけなく、日本で事業展開する多国籍企業も少なくありません。そのため、社員には異文化の人々とコミュニケーションをとり、協働する力も求められます。そんななか、当社には青年海外協力隊員として活動した経験を持つ女性社員が二人いるのですが、彼女たちを見ていると、青年海外協力隊は当社が社員に求める力を養う場であるのだと実感します。

パートナー・トランザクションサービス
チームリーダー
坂野 且典さん

青年海外協力隊で養われるコミュニケーション能力や行動力

二人のうちの一人は、南米・ボリビアの村落部で安全な飲料水の給水施設の設置やそれを維持・管理する住民組織の立ち上げを支援しました。給水施設というのは井戸です。彼女自身が井戸を掘るわけではなく、日本の機材や技術を使いながら、現地の人たちが掘るのです。彼女はその進行をサポートする役目だったわけですが、そうした活動は、現地の人たちのなかに溶け込み、人間関係を築かなければできないものです。そのなかで、おのずとコミュニケーションの力が養われる。彼女の現在の仕事ぶりには、それが現れています。彼女にはボリビアで培ったスペイン語の力を業務のなかで生かしてもらう機会もあります。しかし、海外の人とミュニケーションをとる場合であっても、何より重要なのは、語学力ではなく、自分の考えを伝える総合的な力です。青年海外協力隊では、語学力だけでなく、そうした力が培われるのだと思います。

 彼女の仕事ぶりで大きく評価しているもうひとつの点は「企画力」や「行動力」。これも、青年海外協力隊の経験によるところが大きいのではないかと考えています。ボリビアでは、学校のトイレや手洗い場の修繕などにも取り組んだのですが、その際、必要な費用を捻出するために、「学校菜園」をスタートさせ、とれた野菜を販売したそうです。海外のコミュニティーのなかに入り込んで、こうしたプロジェクトを企画し、実行に移すというのは、決してたやすいことではないでしょう。それをなんとかやりとげた経験が彼女に自信を与え、今の仕事で発揮している行動力につながっているのだと思います。

失敗を次につなげる芯の強さ

彼女は、青年海外協力隊に参加する前に比べて、自分の良いところと悪いところがしっかり見えるようになったと話しています。これはとても需要なポイントだと思います。自分がやったことを見つめ直し、失敗を反省することなしに、人は発展しません。自分は事業のなかでどういう貢献ができ、どういう貢献ができなかったのかを振り返り、たとえ満足がいかずにへこむことがあっても、それを糧にして次につなげる。そうすることで初めて仕事の力が上がるからです。彼女は青年海外協力隊時代、必ずしもすべての活動がうまくいったわけではなく、現地の人々の生活習慣を変えることの難しさに直面した時期もあったといいます。そこで自分の活動のやり方を見つめ直し、「国を変えるのはその国の人たちであり、日本人である自分の役目はその方向性のひとつを示すことだ」という考えに至った。それにより、後の活動のスタンスが定まったといいます。そうした経験で得たであろう「芯の強さ」が、彼女の仕事ぶりには感じられるのです。

 青年海外協力隊の派遣国は、日本とは文化が大きく異なり、活動の環境が厳しい国も多いと聞きます。そういう所で活動する人こそ、仕事の力を伸ばし、すぐれたグローバル人材として帰国されるのではないかと思います。当社は今後も、JICAボランティアを経験した方々が持つ可能性に期待し、その採用を積極的に進めていきたいと考えています。

PROFILE

イー・アール・エム日本株式会社
設立:1999年
本社所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1 横浜ランドマークタワー19階
事業内容:環境・社会・労働安全衛生に関するリスクマネジメントのコンサルティング
従業員数:43名(グループ全体、2013年1月現在)
協力隊経験者数:2名

HP:http://www.erm.co.jp/
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