株式会社EWMジャパン「プロジェクト・マネジメント」の力を
身につける場としての協力隊

  • グローバル人材の育成・確保

ウェブサイトの開発・運営に関するコンサルティングなどを行う当社を立ち上げたのは2001年。当時からインドのIT企業との協業や中国人エンジニアの採用なども行ってきましたが、本格的に海外とつながる兆しが出てきたのはここ数年のことです。当社は06年に関連会社を佐賀市に立ち上げ、いわば「国内オフショア」を行っていますが、今後は開発業務の一部や運用業務の一部を、よりコストの安いアジア圏で行うことも視野に入れています。もうひとつは、お客様のなかに商品をアジアの国々で売りたいという声が出始めていること。お客様が海外市場に進出すれば、当社はその国に向けたウェブサイトの開発などをサポートすることになります。

 こうした背景から、どのようにグローバル人材を育成していくかということは、当社にとって今まさに非常に大きなテーマとなっています。そんななか、当社の女性社員1人が「コンピュータ技術」の職種で協力隊に参加したのは09年。数十人規模の企業で社員1人が2年間抜けるというのは、リソース的には痛い。けれども、人件費補てんが受けられるうえ、復職した後に協力隊経験を生かした活躍が期待できたことから、現職参加を認めることにしました。その期待のひとつが、グローバル人材としての成長です。

 もうひとつ、彼女の協力隊参加に期待していたのは、スキルのステップアップです。彼女が協力隊に参加する前に携わっていたのは、主にウェブサイトの製作業務。しかし、オフショアの拡大とともに、彼女には「プロジェクト・マネジメント」を担ってもらうことになる。自分で配属先の課題を見つけ、その達成に向けた活動プランを立てて実行するという協力隊活動は、プロジェクト・マネジメントの力を身につけるいい機会になると考えました。

 実際、彼女には復職後すぐにプロジェクト・マネジメントの業務を担当してもらうことになったのですが、協力隊経験が生きていると感じます。今は日本の産業界全体がスピーディーに変化しているときで、請け負うプロジェクトも、進めながらプランに変更を加えていくものが多い。プロジェクト・マネジメントに臨機応変さが求められているのです。一方、彼女の協力隊活動は大学の職員にウェブサイトの技術を教えるというものでしたが、配属先に指導を受け入れる態勢が整っていないなか、状況に応じてプランに変更を加えながら活動せざるを得なかったといいます。そこで培った臨機応変さが、今まさに発揮されているのだと思います。

 彼女の協力隊参加によって、ほかの社員が海外を身近なものに感じられるようになったという影響もあります。本人にとっても社にとっても得るものが大きいJICAボランティアですから、今後も挑戦したいと手を挙げてくれる社員が増えることを期待しています。(談)

代表取締役社長
友納 健一郎さん

PROFILE

株式会社EWMジャパン
設立:2001年
本社所在地:東京都中央区東日本橋3-3-17 Re-Know東日本橋6階
事業内容:eビジネスに関する各種コンサルティング
従業員数:35名(グループ全体、2012年11月現在)
協力隊経験者数:1名

HP:http://www.ewmjapan.com/
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