公益社団法人 日本プロサッカーリーグサッカーのユニフォームを寄贈

  • 開発途上国への物品提供

ジュニア向けユニフォームを寄贈

Jリーグでは2012年末に、4チーム分のサッカーのユニフォーム計44着を、JICAの「世界の笑顔のために」プログラム()に寄贈させていただきました。Jリーグでは子どもたちの育成を重視しており、各クラブにアカデミーと呼ばれる育成組織の設立を義務づけています。寄贈したユニフォームは、Jリーグアカデミーの選抜チームが海外キャンプの際に使用したもので、Jリーグオフィシャルエクイップメントパートナーであるアディダスジャパン株式会社のご協力を得て提供が可能になりました。ケニア、ジンバブエ、フィリピンの3カ国の子どもたちに、現在海外にてご活動されているJICAボランティアの皆さんを通じて届けられる予定です。
 2009年度以降、Jリーグに所属するガンバ大阪や柏レイソル、サンフレッチェ広島など数クラブが個別に同プログラムでユニフォームやボールの寄贈を行ってきましたが、Jリーグとしての協力は今回が初めてです。Jリーグは活動理念のひとつとして「国際社会における交流および親善への貢献」を掲げており、今回の寄贈もこの理念に沿った活動のひとつです。国際交流・国際親善に一役買わせていただく機会を与えていただいたことに、大変感謝しております。

チェアマン
大東 和美さん

Jリーグが培ってきたノウハウを提供

Jリーグでは以前から、クラブのサポーターの方々からユニフォームやボールなどを提供いただき、東南アジアに届けに行くという活動を行って参りました。また、2012年には、アジア各国に向けた事業を専門に担当する部署「アジア戦略室」を立ち上げ、タイ、ベトナム、ミャンマーのプロサッカーリーグとは「パートナーシップ協定」を締結。それぞれの国におけるサッカーの発展に向け、選手育成やチーム運営などさまざまな分野での協力を進めています。また、「Jリーグアジアアンバサダー」制度を創設し、元Jリーグ選手で、タイ・プレミア・リーグでもプレー経験がある、丸山良明氏、木場昌雄氏の2名を任命。アジア各国でサッカー教室を開催するなどの活動に協力していただいています。
 2013年、Jリーグはリーグ開幕より20周年を迎えます。Jリーグ発足以前の日本代表はタイ代表にも勝てなかったのですが、この20年で、ワールドカップ本大会に4大会連続で出場できるまでになりました。そうした急激な進歩はアジアを含めた各国から評価され、Jリーグが培ってきた選手育成やチーム運営などのノウハウを教えてほしいというリクエストが多く寄せられています。私どもとしても、アジアをはじめ、世界のサッカーのレベルアップに少しでも貢献できるのならば、持っているものを惜しみなく提供し、各国と共有していきたいと考えています。そうしたなか、今回の「世界の笑顔のために」プログラムにおける寄贈でJICAボランティア事業との接点ができたのは、とても貴重なことだと受け止めています。私どもが協力を進めている国の大半は、JICAボランティアの皆さんが派遣されている国と伺いました。同プログラムに限らず、JICAボランティア事業との連携によって私どもの海外に向けた活動に広がりが出ることを期待しています。

「世界の笑顔のために」プログラムの贈呈式で、 武下悌治JICA青年海外協力隊事務局長(左)に寄贈するユニフォームを渡す中野幸夫日本プロサッカーリーグ専務理事

スポーツの持つ力

日本人が海外の方々にスポーツの指導を行うことは、日本とその国との交流にもなりますし、日本を正しく理解してもらう手段にもなります。また、教わった子どもたちが大きくなったときに、彼らが日本との関係を良い方向に導いてくれる可能性もあるでしょう。いわば、スポーツはひとつの外交手段でもあります。
 アジアの国の多くは、日本と比べると経済的には豊かではありません。だからといって、そういう国に対してスポーツ分野の支援などは後回しにすべきだとは思いません。スポーツがもたらす「心の充実」や「楽しさ」、「感動」などは、経済的な豊かさにかかわらず、誰もが必要とするものでしょう。さらに、スポーツには「人間形成」の手段という側面もあります。仲間と助け合うことの大切さ、あるいはたとえ敵との間であれ、互いに尊重し合うことの大切さなどを学ぶことができるからです。
 JICAボランティアとしてスポーツの指導に携わっている方々も、以上のような思いをもっておられると思いますし、逆に現地に行って学ぶことも多々あります。日本のサッカー指導者もJICAボランティアに参加させていただき、多くのことを学んで帰ってきております。スポーツ分野のJICAボランティアのご活躍が、海外のみならず日本にとっても有益であると思いますし、今後、ますます活動が広がることを期待しています。
 私どもは今後も、「世界の笑顔のために」プログラムだけでなく、競技や審判の技術を持つJリーグ関係者にJICAボランティアに参加してもらう、あるいはJICAボランティアの教え子をJリーグアカデミーに迎えるなど、さまざまな形でJICA事業と連携をとることにより、恵まれないサッカー環境にある国の子どもたちの役に立つような活動を実現していきたいと考えています。

※ 開発途上国で必要とされている教育、福祉、スポーツ、文化などの関連物品について、ご提供くださる方々を日本国内で募集し、JICAが派遣中のボランティアを通じ、世界各地へ届けるプログラム。国際協力への参加を身近に感じていただくこと、および途上国への貢献を目的に、平成15年度から開始。

PROFILE

公益社団法人 日本プロサッカーリーグ
設立:1991年
本社所在地:東京都文京区本郷3-10-15 JFAハウス9階
事業内容:プロサッカーの試合の主催、サッカーおよびサッカー技術の調査・研究・指導、
サッカーに関する国際的な交流および事業の実施など

HP:http://www.j-league.or.jp/
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