株式会社きとうむら協力隊経験者は地域の宝

  • グローバル人材の育成・確保
  • 広報協力

当社は1996年に、徳島県と高知県の県境に位置する那賀郡那賀町木頭(きとう)出原(いずはら)に、山村地域の活性化を目的に設立されました。ダムなどの大型公共事業に頼らない自立した地域経済を実現すべく、自然環境を保護し、経済の活性化と雇用促進、そして持続可能な地域社会を作ることに寄与することを理念としています。当社の主な事業は、全国的にも高い品質で名を知られている木頭柚子や、剣山系の山から湧き出る水、そして国産大豆のおからを利用した食品加工と卸・販売事業を行っています。製造・販売している商品については、国産・無添加を原則とし、美味しいだけでなく安全・安心をテーマに、原材料だけでなく環境にも配慮した製品作りを心がけています。

 2008年からは、アメリカ、フランス、ドイツ、スイスへ、柚子果汁をはじめとした柚子製品を輸出していますが、その輸出事業の継続、拡大を任せられる人材が必要でした。そこに適任だったのが、協力隊経験者の中川公輝さんです。木頭村出身の彼は、この地域のことをよく知っているだけでなく、協力隊経験をはじめ、その他のJICA事業を通じての海外生活が長く、海外との取引を進める上でも当社にとっては、必要な人材でした。開発途上国では、おそらく様々な苦労や問題に直面し、その都度、課題を克服して活動しなければなりません。その経験が多ければ多いほど日本でも課題に直面した時に解決に向けて臨機応変に対応ができるのだと思います。何が起きても、自ら適切な判断を下し、物事を進めていく姿は、さすが協力隊経験者だと思います。小さな村の事業であっても、良いアイデアと優れた人材に恵まれれば、海外を相手にした事業展開が可能だということは言うまでもありません。

 日本における過疎地域の姿と、世界における開発途上国の姿は、よく似ていると思うのです。そこにある資源を生かし、人と物の流れをつくる作業は、過疎地域の活性化を試みる私たちと青年海外協力隊に共通する使命だと思っています。だからこそ、青年海外協力隊を応援したいという気持ちになるのだと思います。当社の店舗には、協力隊募集のポスターを掲示していますが、日本の地方や過疎地域からもっと中川さんのような協力隊員が生まれ、開発途上国のために尽力し、再び出身地や過疎地域に戻ってきてくれてその経験を生かしてくれるのだとしたら、それは地域の大事な人材となるでしょう。なぜなら、そうした人材は、過疎地域の活性化に必要な豊かな発想力やコミュニケーション能力を、協力隊経験を通じて身につけていると思うからです。したがって、今後も青年海外協力隊の支援や、協力隊経験者の採用については、積極的に対応していく考えです。

代表取締役
日野 雄策さん

JICAボランティア経験者から

開発途上国を見てきたからこそ日本の過疎地域に可能性を見出せる

私はコンピューターソフト開発会社に勤務した後、1990年からコンピュータ指導の職種でマラウイに派遣されました。2年という任期終了後も、再びマラウイで5年、スリランカでも5年半を過ごし、2011年2月に帰国しました。現在は故郷にある株式会社きとうむらの社員として奮闘の日々を送っています。

 開発途上国での生活は12年以上になりますが、その土地にはその土地の、優れた部分が必ずあるものです。また、開発途上国といえども、日本の過疎地域よりも人や経済が元気なところはたくさんあります。そうした事例をたくさん見てきたからこそ、日本の過疎地域も世界の中の一つの地域としてとらえることができ、その可能性を見出そうと考えることができるのだと思います。特に長年そこに住んでいる人から「田舎には何もない」と言われますが、「何もないということは何でもやれる可能性がたくさん残っている」と考えることができます。 自分が、開発途上国で得た経験力と見聞を存分に生かし、きとうむら商品を国内外に流通させ、地域活性化の一翼を担っていきたいと考えています。

木頭ゆずクラスター事業担当 統括部 営業部
中川 公輝さん
(平成2年度派遣/マラウイ/コンピュータ指導)

地域活性化の一翼を担うきとうむらの木頭柚子商品

PROFILE

株式会社きとうむら
創業:1996年
所在地:〒771-6402 徳島県那賀郡那賀町木頭出原ヨコマチ23-2
事業内容:加工食品、雑貨等の製造、小売および卸
従業員数:22名(2012年4月現在)
協力隊経験者数:1名(2012年4月現在)

HP:http://www.kitomura.jp/
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