国際航業株式会社途上国貢献に対する情熱と、
現地で養われた危機管理能力

  • グローバル人材の育成・確保
  • 開発途上国へのビジネス展開

当社は、最先端の空間情報技術やICTを用いて、空間情報コンサルティングや建設コンサルティングなどの事業を行う会社です。海外本部では、防災・環境保全、気候変動対策、社会インフラ、再生可能エネルギーなど、ODA事業を中心とした海外でのコンサルティング業務を行っています。

 当事業部のポリシーは「背伸びすれば手が届く、本当の開発がそこにある」。これは、日本の技術をそのまま持ち込んでも途上国の求める技術レベルに合わないことが多いので、途上国の人々が今持っている技術から、ちょっと手を伸ばせば届くというところにターゲットを絞って技術協力を行うということです。そうすることによって、彼らがその技術を自分たちのものにでき、我々がいなくなっても少しずつ発展させていくことができると考えます。

 当部の社員は現在120名ほどです。近年は毎年10名以上採用するなど、積極的に採用を行っています。また協力隊経験者は、約4割を占め、大きな戦力となっています。

 私たちが協力隊経験者に期待していることは、第一に途上国貢献に対する情熱です。日本では簡単にできることでも、途上国ではできないという事柄は多々あり、それが理由で現地の社会や人々を嫌いになってしまう人もいます。しかも、当部では1年のうち半年以上は途上国での仕事となります。そうした環境のなか、長く仕事を続けるには途上国に貢献したいという情熱が必要です。協力隊経験者は、それを承知のうえで、むしろ劣悪な状況を改善することにやりがいを感じて、強い情熱を持っている人が多いと感じます。

 次に期待するのは、現地の人々に近い目線を持っているということです。協力隊での生活を通じ、現地に深く溶け込んで現地の人の目線がわかったという経験は、我々の仕事の中で現地の人の目線を推測するのに役に立ちます。

また、協力隊員は、現地の人々と同じように公共交通を利用しているとスリなどから狙われやすい環境下であるため、危険に対して鼻が利くといいますか、危機管理能力が自然と養われているという利点もあります。実際、協力隊経験者は、協力隊を経験していない社員に比べて事故に遭う率が低いので、安心して送り出すことができます。

 もちろん、コンサルティングに必要な技術に関する知識や英語力は必須です。特に最近では、気候変動対策や防災、社会インフラの分野において高度な専門性を要する人材へのニーズが高いので、そうした専門性を持った人はぜひ当社に応募してほしいですね。

 さらに、2年間の活動期間に起こる、予測できない様々な問題に対して真面目に向き合って、悔しい思いやうれしい思いをたくさんすると、「自分だけの何か」を手に入れることができます。すぐには気がつかないかもしれませんが、それはその人の人生にとって、この上ない貴重なものになるでしょう。それを当社で、途上国貢献という形でぜひ生かしてもらいたいです。

エチオピア国南部諸民族州リフトバレー地域給水計画準備調査にて試掘した井戸で期待以上の地下水が噴出し、成功を喜ぶ模様。

JICAボランティア経験者から

現地住民の目線で相手国を理解できるようになった点を生かしながら

私は大学を卒業後、国内で建設コンサルタントとして5年間働きました。外国人研修生と接する機会があったのですが、彼らは日本の土木技術を見たときに、喜びをストレートに表してくれました。その光景が忘れられず、協力隊に応募。タンザニアの技術大学で土木の構造力学の教員として活動しました。

 帰国後、JICA進路相談カウンセラーに相談したところ、当社のことを教えてもらいました。タンザニアで「海外でのコンサルティング業務では、水と道路分野のニーズが高い」と感じ、水関連のコンサルティングを希望していました。当社は水分野に強い会社だということがわかり、応募することにしました。

 面接では、協力隊の活動を通じて、受益者の目線で相手国の事情が理解できるようになった点をアピール。また、自分にとって新しい分野の仕事に就いても、一から勉強してがんばっていきたいという意志についても伝えました。

 現在は海外本部 海外コンサルティング部 水・衛生グループに所属し、給水施設の計画から設計、施工監理、運営のための住民組織の形成、衛生教育など、プロジェクトの上流から下流まで一連の仕事を行っています。設計や施工などのハード面はもちろん、村の人たちと協働してソフト面にもかかわっているので、やりがいを感じています。

 もちろん、現地の工事会社の作業が大幅に遅れるなどして、調整すべき場面も多々あります。そのような場合は、一方的な言い方にならないように気をつけながら、ほかのスタッフの仕事を見て、試行錯誤を繰り返しています。

 協力隊の2年間を振り返ると、住民の視点や危機管理能力など、コンサルタントとして必要なスキルが自然に身についたような気がします。

海外本部
海外コンサルティング部
水・衛生グループ
吉川 健さん
(平成14年度派遣/タンザニア/土木施工)

PROFILE

国際航業株式会社
設立:1947年9月
所在地:東京都千代田区六番町2番地
事業内容:空間情報コンサルティングサービス(空間情報技術、建設コンサルタント)、RE(Renewable Energy)関連事業など
従業員数:1,880名(2017年3月31日現在)
協力隊経験者数:約40名(2017年3月31日現在)

HP:http://www.kkc.co.jp/international/index.html
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