株式会社メイフェア協力隊経験者の適応能力などを評価しつつ、現地での人脈づくりに期待

  • グローバル人材の育成・確保
  • 開発途上国へのビジネス展開

当社は、設立して20年余りになる神戸の貿易会社です。主にイギリスやアメリカの雑貨や日用品などの輸入販売を手がけるほか、中国のメーカーと連携しながら雑貨をはじめとするさまざまな商品を開発して日本の家電量販店などに卸販売する事業も行っています。ほとんどの業務で海外とのかかわりがあり、海外出張の機会も数多くあります。現地の工場で何か問題があればすぐに社員が出向くこともありますし、現地担当者との交渉の際は相手のことを深く知ることが重要だったりします。そのため、業務を行っていくうえでは、フットワークのよさや現地への適応能力が不可欠です。

 設立当初、そうした力を期待して協力隊の経験者を採用したことがありますが、海外で働きたいということでしばらくしてから退職しました。その後は欧米への留学経験者などを採用していました。2年余り前にハローワークに求人を出したところ、たまたま応募者のなかに協力隊経験者がいたのです。面接試験で話を聞くと、協力隊の活動を通じて英語力が培われ、また現地の人たちと深くかかわったとのことで、それらを評価しつつ、育てていこうという気持ちもあり採用しました。

 その社員は現在、主に中国のメーカーとの交渉や生産管理などを担当しています。海外で現地の人と連携して仕事をするには、現地の気候や風土、地理、歴史、文化など相手の背景を知っていないとうまくいきません。私は昔、イギリス系商社の日本支店で10年間仕事をしていたので、それを身をもって経験しています。その社員の場合も、協力隊と今とでは地域は違えども、現地の食文化を尊重してどんな料理を出されても平然と食べるなど、現地に溶け込むうえでの基本的な姿勢を身につけています。また中国各地を回って、これまで数十社のメーカーと仕事を行うなど、フットワークもいいです。 その一方で、経済感覚をもっと身につける必要があると感じています。民間企業は結果がすべてで、アカウンタビリティー(経営責任)が必要で、企業にとっては利益を上げるという目的が大前提となります。協力隊の人には、途上国で活動している間に経済感覚を養うべく、自分の金銭出納帳を作ることをおすすめします。そうすることで、現地の為替、物価、労賃などが把握でき、バランス感覚が養われ、企業が利益を上げることの重要性に気付けるのではないでしょうか。

 また、現地にいる間に、さまざまな人と知り合い、目的を持って人脈を築くこともおすすめします。派遣された国の産業界と何らかのつながりを持っている人は、多くの企業が求めるはずです。当社ではベトナムなどにも事業展開をしており、現地での人脈づくりができているような人には期待しています。

代表取締役
宮内 清治さん

PROFILE

株式会社メイフェア
設立:1991年9月
所在地:兵庫県神戸市中央区波止場町6-17
事業内容:貿易卸売業
従業員数:10名
協力隊経験者数:1名(2012年4月現在)

HP:http://mayfair-17.co.jp/
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