宮城県職員の協力隊参加は、県の知名度や評価の向上につながるうえ、人材面でも有益です。

  • グローバル人材の育成・確保
  • 研究・教育プログラムの強化

宮城の技術をPRし、国際的な知名度アップ目指して

宮城県では協力隊への現職参加のモデルとなるようなプロジェクトを展開することになり、農村振興課と経済商工観光部国際政策課(当時、現在は国際経済・交流課)、JICA 東北の協力で始まったのが「みやぎ国際協力隊プロジェクト」でした。

 宮城県は農業分野で高い技術力や経験豊かな職員を有しているため、それを生かすべく「食糧増産」や「水の確保」を優先課題とするマラウイにおいて、農業灌漑分野での協力を行うことになりました。

 職員を3期6年にわたって協力隊に参加させるというプロジェクトを始めるうえで、宮城県にとってのメリットを明確にし、他部署などの理解を得る必要がありました。財政面を考えたときに、職員を海外に長期派遣するにはそれに見合ったメリットが必要です。農業を取り巻く環境が変化するなかで諸外国との関係もより重要となってきますが、このプロジェクトによって「宮城」の国際的な知名度や評価の向上につながることをアピール。また、派遣される職員は現地での活動を通じてコミュニケーション能力、分野とか組織のセクショナリズムを超え、幅広い視野で課題を解決できる能力が養われること。海外における専門分野での実務経験に加え、マネージメント力などの向上など、人材育成の面でも有益だと伝え、周囲の理解が得られました。

 参加者の募集にあたっては、説明会を開いたうえで公募。選ばれたのが、技術も経験も豊富な菅野将央さんで、2010年6月にマラウイへ赴任しました。

農林水産部農村振興課 技術副参事兼技術補佐
郷古 雅春さん

協力隊で培った力を、今後の業務に生かしてほしい

その後、JICA「草の根技術協力事業」(地域提案型)を活用し、マラウイから研修員を受け入れたりしています。それから県民への広報活動についても力を入れていきたいですね。菅野さんの定期的な活動は県のウェブサイトで公開しています。

 帰国後はさらに、報告会など現地のことを直接話してもらう機会を多く作りたいと考えていますし、菅野さんには、協力隊で培った企画力や交渉力を生かして業務に取り組むことや、次に派遣される職員へのフォローも期待しています。

 "人間力"と言いますか、異文化での生活で試される力。フィールドでの経験力。思い通りにいかない時にどれだけ粘り強くなれるか、挫折を味わいながらも立ち向かっていく力など、今後の業務で必ずや生かせるものと思っています。このプロジェクトにより国際感覚を身につけた人材として、本来の業務に加え周囲の職員にも好影響と刺激を与えるものと期待します。

マラウイから宮城県との研修に同行した菅野さん(左から4番目)

マラウイで活動する菅野さん

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