帯広畜産大学食を支え、くらしを守る
国際専門職業人を育成する

  • グローバル人材の育成・確保
  • 研究・教育プログラムの強化

帯広畜産大学とJICAの連携により、在学生・卒業生をJICAボランティアとして派遣

帯広畜産大学は2011年8月、JICAと「帯広―JICA協力隊連携事業」の合意書を締結しました。この連携により、平成24年度から6年間の予定で、帯広畜産大学の在学生・卒業生を長期および短期のJICAボランティアとしてパラグアイに派遣し、家畜飼養管理技術、家畜の健康・衛生管理技術などの酪農技術の向上支援を行っています。

 第一期の長期隊員は、2012年7月に本大学卒業生の橋本亜見さん(平成24年度派遣/パラグアイ/コミュニティー開発(旧:村落開発普及員))を派遣し、2013年1月に同じく卒業生の吉川裕佳理さん、島田亜希子さん、佐藤慶優(よしき)さん(平成24年度派遣/パラグアイ/家畜飼育)を派遣しています。また、短期隊員は本大学在学生を2013年3月に3人、同9月に3人派遣しました。

 帯広畜産大学とJICAは、長年の連携関係を基盤として、農業分野における開発途上国支緩と国際協力人材の育成に努めてきました。そこで、帯広畜産大学はこれまでの連携事業の次のステップとして、日本国内のグローバル人材育成の重要性などを踏まえ、青年海外協力隊の長期派遣と短期派遣を組み合わせた効果的な支援プログラムを実施することに合意し、国内初の形態となる派遣事業、「帯広―JICA協力隊連携事業」が実現しました。

 帯広畜産大学の専門知識・技術をJICAボランティア事業に活用することで、パラグアイの小規模畜産農家の生計を向上させるとともに、獣医農畜産分野における国際協力経験の機会を通じたグローバルな視点を持った人材の育成を目的としています。

 6年間でJICAボランティアとして派遣されるのは、派遣期間2年の長期隊員12人、派遣期間約2カ月間の短期隊員30人程度を予定しています。

 長期隊員、短期隊員ともに本大学での学内公募などを通して候補者を決定し、JICAによる通常の選考手続きで適性が判断されます。長期隊員は本大学の大学院生・卒業生を対象としており、活動内容は、現地酪農家に対して現状把握のための基礎調査や問題点の抽出、活動計画の策定、家畜管理の指導、研修会開催などを担当します。在学生の短期隊員は、長期隊員が行う調査や指導の補佐を担当するとともに、当該分野における日本の経験を紹介する研修会の実施や、課題の抽出と改善計画の提案などを行います。

 現地で活動中の橋本さんは、イタプア県庁に所属し、村落開発普及員としてプロジェクト全体の調整業務、事業計画策定に携わっています。

 この事業に応募した動機について橋本さんは、次のように話しています。「大学在学中に学んだ知識を開発途上国で生かしたいと思い、この制度を利用しました。帰国後は大学院進学も視野に入れ、開発というテーマに対し先人が築いた知恵を学び直し、協力隊を経験したからこそ発信できる問いを見つけたいとも考えています」。

 今後はこれまでの実態調査を踏まえて作成したプロジェクト指標に基づき、課題解決のための具体的な活動を行っていく予定です。

本連携により派遣されたプロジェクトチーム(右から吉川さん、橋本さん、島田さん、佐藤さん)

帯広畜産大学企画・国際室 中野昌明室長から
「帯広―JICA協力隊連携事業」への期待

帯広畜産大学のミッションは、生命、食料、環境をテーマに、農学、畜産科学、獣医学に関する教育研究を推進し、「食を支え、くらしを守る」人材の育成を通じて地域及び国際社会に貢献することです。本事業に参加する隊員達は活動期間中に幾多の困難に直面するかもしれませんが、卒業生を中心とする長期隊員と在学生の短期隊員が先輩・後輩として相互に信頼を寄せ合いながら固いチームワークを持って困難を乗り越え、パラグアイ国の食を支え、くらしを守る国際専門職業人として大いに活躍されることを祈念しています。

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