海洋プランニング株式会社青年海外協力隊経験者に備わる
「人の話を聞く力」に期待

  • グローバル人材の育成・確保

危険を回避する力

私は昨年、当社の代表としてマラウイに派遣されている青年海外協力隊員の活動現場を見学させていただきました。当社の今後を担ってもらえるような若い人材を確保、育成することが急務であるなか、その手段として、青年海外協力隊経験者の採用、あるいは民間連携ボランティア制度で社員に青年海外協力隊を経験させることを考えており、そのための情報収集が目的でした。

 当社の業務は、海の生物を対象とする環境コンサルティングです。たとえば、「ある生物が特定の海域で減少している」といった、人が利用する生物資源の問題に対して、原因の究明から対策の提示に至るまでを行います。業務の一部では実際に現場に入り込んで調査するわけですが、水中作業が不可欠ですので、おぼれたり、どう猛な魚に襲われたりといった、命にかかわる危険に対処できなければなりません。そうした業務に携わる人材に不可欠なのが、「人の話をきちんと聞ける」という真のコミュニケーション能力や謙虚さです。自分の知識やスキルを過信し、独りよがりな判断で行動してしまう人は、どれだけ頭脳が優れていても危険を避けることはできません。また、人の話を聞ける人というのは、周囲のさまざまな人間に育ててもらえるため、伸び代が大きい人材でもあります。

 当社は途上国の海で調査を行うことが多いのですが、そうした現場で仕事をしていると、派遣中の青年海外協力隊員と接する機会もあります。かつて私自身が出会った青年海外協力隊員の多くに備わっていたのが、「人の話を聞く力」にほかなりませんでした。異文化社会で現地の人々と暮らす経験が、そうした資質を育てるのではないでしょうか。

 当社が担当する現場のなかには、寝泊まりする小屋を自ら建てるところから始めなければならないような不便な場所も少なくありません。そうした現場にポンと放り込んでも、きっちり仕事をやりとげることができる自立性や適応力も、当社の仕事では不可欠です。途上国の任地に身ひとつで赴く青年海外協力隊員ですから、この力についても申し分ないでしょう。

九州支店長
井手 陽一さん

高まる社会的ニーズ

以上のような理由で、以前から青年海外協力隊経験者を当社に迎えたいと考えていたのですが、ようやく昨年、民間連携ボランティア制度の存在を耳にしたのをきっかけに、青年海外協力隊経験者の採用や、民間連携ボランティア制度の活用に向けた準備に着手できた次第です。マラウイの視察では、JICAによる青年海外協力隊員のバックアップ体制がしっかり機能していることも確認でき、民間連携ボランティア制度で社員を送り出す際の不安材料も取り除かれました。

 当社の仕事は、いわば人間が利便性を求めることでひどい目に遭っている生き物たちの声を聞く役目であり、現在、その社会的ニーズは急速に高まっています。よりよい社会をつくるために力を尽くしたいという高い意欲を持つ青年海外協力隊経験者の方々にとっても、やりがいを感じてもらえる仕事ではないでしょうか。彼らの採用や、民間連携ボランティア制度の活用を実現することで、高まる社会的ニーズに対応し続けられるような社の基盤づくりが進むことを期待しています。

PROFILE

海洋プランニング株式会社
設立:1985年
本社所在地:沖縄県浦添市前田3丁目2番1号
事業内容:各種環境調査、水中映像記録、気象海象機器の設置、生物分析など
HP:http://ops.web-satellite.jp/
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