株式会社サガミチェーン海外進出に向け、
他社員の道標となることを期待

  • グローバル人材の育成・確保
  • 開発途上国へのビジネス展開

人材育成のため「民間連携ボランティア制度」を活用

そばとうどんを主力商品として提供する外食チェーン企業である当社は、名古屋を中心に国内では131店舗、海外では上海で5店舗を展開しています。将来のビジョンとして「No.1 Noodle Restaurant Company」を掲げ、今後は上海以外の中国の都市や、その他のアジア諸国など「汁麺文化」のある国へどんどん進出していきたいと考えており、現在、タイとインドネシアでの出店を検討しています。
 そうしたなか、喫緊の課題となるのが「グローバル人材」の獲得と育成。不況の時代にあって、外食企業の国内需要が低下し、経営状態は厳しいと言わざるを得ないですが、会社の財産は人材。将来のために、人材育成には今は惜しまず投資しようと考えています。
 正直なところ、当社はこれまで海外に疎い会社だったので、まずは社員の意識改革からスタートしなくてはならないということで、海外研修を始めました。今年度は社員の中から100人を募り、拠点のある上海へ2週間の研修に出しています。こうした施策を通じて、これまで海外進出に対してあまり積極的ではなかった社員たちにも、どんどん外に出て行こうという意識が芽生え始めたようです。
 しかし当社は、中国以外の国にはまったく足がかりがない状態でした。今後、上海以外に店舗を展開していきたいというなかで、どのような研修が可能だろうか…と考えていたときに、JICAの「民間連携ボランティア制度」を知ったのです。
 私個人としては、商社で働いていたときにJICAとは縁があり、定年後はシニア海外ボランティアとして参加したいくらいの気持ちがありますが、外食企業である当社としてはご縁がないものと思っていました。しかし、「このような形で連携する機会があるのなら、人材育成にもなり、社会貢献もできる」と考え、まずは担当者が「民間連携ボランティア制度」の説明会に参加しました。手続きなども丁寧に説明していただき、連携実現に向けて話を詰めてまいりました。

代表取締役社長
鎌田 敏行さん

当社にもメリットのある派遣内容が実現

派遣国は、出店を考えている「汁麺文化」のあるアジアの国、活動内容は、「現地の市場調査につながるもの」「現地の外食産業に携われるもの」といった要望をお伝えしたところ、それに合致する案件をJICAが探してくださいました。その結果、タイとベトナムに1人ずつ、社員を協力隊員として派遣することが決まりました。両国ともに汁麺文化のある国ですから、派遣される社員は、いずれその国で当社が店舗を展開した際には、現地のリーダーになってもらいたいと考えています。
 当社には足場のない国でも、JICAのしっかりとしたバックアップ体制があることで、大事な社員を派遣するこちらとしても非常に安心感があります。現時点では2人の社員がそれぞれベトナムとタイに赴任が決定しており、早速語学の勉強を始めています。
 派遣される社員には、まずは海外から日本を見る目を養ってほしい。そして、ずっと”お客様”でいるのではなく、現地に溶け込んでほしいですね。せっかく日本で社会経験を積んでいるわけですから、現地に足跡を残して、任期満了時には「帰らないで」と言われるくらいになってもらいたい。そして帰国後は、派遣中に培ったコミュニケーション能力やグローバルな視野を仲間たちに発信し、後続への道標になってほしいと期待しています。

左から、ベトナムに派遣予定の吉本さん、
鎌田代表取締役社長、人事課の三谷 正和さん

PROFILE

株式会社サガミチェーン
設立:1970年3月4日
本社所在地:愛知県名古屋市守山区森孝1丁目1709番地
事業内容:東海地区のほか、関東、関西、滋賀、北陸、中国・上海で和食麺類のファミリーレストランチェーン
「サガミ」「さがみ庭」「盛賀美」などを展開
従業員数:660人(2012年1月現在)
協力隊経験者数:2名

HP:http://www.sagami.co.jp/
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