テラインターナショナル株式会社人を受け入れる心は
「途上国での真剣勝負」で養われる

  • グローバル人材の育成・確保
  • 開発途上国へのビジネス展開
  • 研究・教育プログラムの強化

2人の協力隊経験者とともに当社を設立したのは1991年です。以来、順調に成長を続け、社員数も170人ほどになりました。現在は携帯電話のシステムや役所の電子申請システムの開発が事業の中心となっています。

 われわれIT業界も、海外とお付き合いをしながらでないと事業が成り立たない時代になっています。たとえば、日本で受託したシステム開発を、人件費が安い国の企業に委託する「オフショア開発」と呼ばれる方法は、すでに多くの企業が取り入れています。当社も、2000年代前半から中国やベトナムの企業との間でこれを始めています。さらに次のステップとして、途上国にシステムを販売する時代がやって来るでしょう。

 時代がこういう状況にあるにもかかわらず、海外の人との接し方を心得ている人材は、まだ多くはありません。人材育成は一朝一夕にはいきませんから、たとえ今はなんとかなっていても、今から少しずつ会社に新しい息吹を吹き込んでいかなければ、いずれグローバル化の進行に付いていけなくなります。ところが、グローバル人材の育成にはノウハウや費用が必要であり、海外に拠点を持つような大企業ならともかく、多くの企業にとっては容易なことではないのです。

 当社では、休職してJICAボランティアに参加した社員や、JICAボランティアを経験してから入社した社員は延べ十数人になります。彼らを見ていると、JICAボランティアの経験こそ、グローバル化に対応する力を身につける研修になると感じます。海外で1~2カ月程度ボランティア活動をするだけなら、現地の人たちにお客様扱いをされたままで終ってしまいますが、JICAボランティアのように長期間にわたって現地の人と一緒に働くとなると、互いに真剣勝負になる。真剣勝負であれば、そこで必ず衝突が起きます。それが貴重だと思うのです。衝突して悩むなかで初めて、異文化社会の人であっても、基本は自分たちと何ら変わらないのだということに気づき、考えの違う人を受け入れる心が養われる。この心こそが、海外の人と接する際に不可欠なものなのです。

 当社では、ベトナムから研修生を受け入れ、修了後に当社内で働いてもらうという試みをしました。研修生の受け入れはJICAボランティア経験者に担当してもらったのですが、ほかの社員が対応にとまどっているなか、実にスムーズにこなしてくれました。

 考えの違う人を受け入れる心というのは、日本人を相手に仕事をする際にも大切な、いわば「人間としての幅」だと思います。当社は今後も、JICAボランティアへの現職参加や経験者の採用を通じて、人間としての幅を持つ人材を増やしていきたいと考えています。

代表取締役社長
宮本 一成さん

PROFILE

テラインターナショナル株式会社
創業:1991年
本社所在地:東京都豊島区東池袋3丁目4番3号池袋イースト
事業内容:情報システムの設計・開発、基盤ソリューション、人材ソリューション
従業員数:170人(2012年10月現在)
協力隊経験者数:8名(2012年10月現在)

HP:http://www.teraintl.co.jp/
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