一般社団法人 徳島新聞社協力隊員は子どもたちにとって
最高の教材です

  • 広報協力
  • 研究・教育プログラムの強化

1944年、徳島新聞第1号は発刊されました。それ以降、「県民とともに」をモットーに、常にざん新な紙面づくりに取り組んでいます。世界のニュースも瞬時にキャッチできるよう、共同・時事両通信社と提携したり、本社記者を海外へ派遣するなど、万全の態勢で臨んでいます。国内においては、東京・大阪・高松の3支社、県内には13支局を配置し、鮮度の高いニュース提供を目指しています。

 2008年には編集局内に読者室が新設され、将来の日本や徳島を担う子どもたちを対象としたNIE(Newspaper In Education)事業を開始しました。本事業は、教育の現場で新聞を活用してもらうことを推進する取り組みで、新聞界と教育界が協力し、全国で展開されているものです。徳島新聞においては、平日の朝刊内1ページに掲載される「阿波っ子Times」と、新聞記事を教材とした小中学校への「出前授業」の2本柱でNIE事業を進めています。

 「阿波っ子Times」の対象は小学校生から中学生まで。曜日ごとに対象を絞り、スポーツ、科学、英語、ニュース用語など多岐にわたる分野の記事を掲載しています。子どもたちが興味を持って読めるよう、4コマ漫画やイラストを織り交ぜたり、写真や文字を大きくするなど、様々な工夫が施されています。そんな「阿波っ子Times」で、2012年1月からJICAさんと協力した枠を月に2回のペースで設けることになりました。「世界とつながろう」というテーマのもと、徳島県出身の青年海外協力隊の活動や帰国後の活躍などを紹介しています。

 地方に住んでいる子どもは、外国との接点がまだまだ少ないのが現状です。そうしたなかで、自分と同じ徳島県出身の協力隊員が、開発途上国のために懸命に頑張る姿を知ることは、子どもたちが世界に目を向けるチャンスにつながると考えています。子ども自らが記事を読み、関心を持つこともあれば、出前授業を通じて理解を深めることもあるでしょう。子どもたちは、何かきっかけさえあれば、それまで知らなかったことにも興味や関心を持つことができます。そして、「自分は社会で何をするべきなのか?」と子ども自身が考える場面に直面したとき、「困っている人のために何かをしよう」という考えを選択肢の1つに持ってくれているとしたら、それは情報を発信する私たちとしても、とても嬉しいことです。さらに言うなら、その選択肢を選んだ子どもが、人から感謝される喜びを知ってくれたら、「阿波っ子Times」や「出前授業」でJICAさんや協力隊のことを取り上げたことに、より深い意義が生まれるのではないでしょうか。

 国際協力の分野において、日本は後進国といわざるを得ません。開発途上国のために尽力した人たちが、帰国後も活躍できるような日本社会にならなければ、本当の意味での豊かさを備えた先進国とはいえないと思います。つまり、「人のために」行動できる人間が増えることは、日本の豊かさにつながる。私たちは、新聞づくりに携わるものとして、こうしたことも幅広い世代にしっかりと伝えていきたい考えです。そうした考えから、協力隊が出発時、帰国時に行っている自治体への表敬訪問も取材させていただいています。また、今後のNIE事業においても、JICAボランティアの任地での情報や経験を「阿波っ子Times」で取り上げ、教材の一環として「出前授業」でも活用させていただきたいと考えています。

編集局 読者室 部長
中川 隆善さん

協力隊の活動を知ることは、子どもたちが世界に目を向けることにつながると語る中川さん。

青年海外協力隊の活動をとり上げた「阿波っ子Times」

PROFILE

一般社団法人 徳島新聞社
設立:1944年
所在地:〒770-8572 徳島県徳島市中徳島町2丁目5番地2号
事業内容:日刊新聞(朝刊・夕刊)の発行など
従業員数:312名(2010年4月1日現在)

HP:http://www.topics.or.jp/
一覧に戻る

TOP