ヤマハ発動機株式会社協力隊経験者に備わる
BOPビジネスの発展に必要な資質

  • グローバル人材の育成・確保
  • 開発途上国へのビジネス展開

当社は、「感動創造企業」として、世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供することを企業目的に掲げています。モーターサイクル、スクーター、船外機など、私たちの商品は多岐にわたりますが、その市場は近年、先進諸国からASEAN諸国、BRICSへと大きくシフトしているのが現状です。

 私たちは、「BOPビジネス」という言葉がない時代から、開発途上国へ参入してきました。初の海外現地法人設立は1958年にまで遡ります。その後、政府開発援助資金を利用し、アフリカ諸国での漁業開発支援などを経て、現在、私たちが担当する地域はアフリカ、ロシア、中東、中央アジア、モンゴル、中米など、その数は143カ国になります。そうした中、BOPビジネスの発展に向けて不可欠なのが、グローバルな視野を持った人材です。

 当社には、1971年より累計で75名の青年海外協力隊経験者が入社しており、そのうち、55名が現在も活躍しています。開発途上国における2年間の経験は、当社のようなBOPビジネスを展開する企業にとって、様々な観点から非常に有効であるといえます。私が所属する海外市場開拓事業部は、開発途上国専門の営業部隊ですが、その1割が協力隊経験者で、営業職としてだけではなく、開発途上国での経験に乏しい若手を育てるうえでも、頼もしい存在になってくれています。

 協力隊経験者が持つ底力には、1)文化の違いに物怖じしないタフなメンタリティ、2)何事にも前向きにチャレンジする直行さ、3)既成概念にとらわれない幅広い知識吸収への好奇心、4)異文化交流により培われた幅広い世界観、5)開発途上国貢献への強いボランティア精神、6)自ら行動して問題解決にあたる主体性、などがあげられます。例えば、長期間アフリカに出張などというと、想定外の出来事が毎日のように起こります。そんなときに、やはり、2年という長期にわたり、開発途上国でさまざまな経験を積んできた協力隊経験者は頼もしい存在であると私は思います。ほかにも、体力的にタフであることや臨機応変さも強みではないでしょうか。

 一例に過ぎませんが、協力隊員としてチリに派遣されていた経験を持つ社員は、現在、中米エリアでの技術講習の担当者になっています。ジンバブエに派遣されていた別の社員は、現在、トーゴにおけるサービス販路構築の一翼を担っています。また、当社に籍を置いたまま、現職参加の協力隊員としてモザンビークで活躍している社員もいます。

 これからの時代、協力隊経験者が持つ資質がますます求められるものと思われます。自らの意思で開発途上国に赴き、「底力」を付けてきた協力隊経験者は、グローバル人材として即戦力となることでしょう。それは当社のみならず、BOPビジネスを展開するすべての企業において言えることではないでしょうか。

海外市場開拓事業部 第一開拓部 部長
森 茂人さん

開発途上国におけるビジネスでは、協力隊経験者は実に頼もしい存在と語る森さん

PROFILE

ヤマハ発動機株式会社
創立:1955年7月1日
所在地:(本社)静岡県磐田市新貝2500
事業内容:モーターサイクル、スクーター、電動アシスト自転車、ボート、ヨット、ウォータービークル、プール、和船、漁船、船外機、ディーゼルエンジン等の製造および販売。各種商品の輸入・販売、観光開発事業およびレジャー、レクリエーション施設の経営並びにこれに付帯する事業。
従業員数(連結):52,184名
協力隊経験者数:1971年より累計75名入社(現在55名在籍)

HP:http://www.yamaha-motor.co.jp/
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