株式会社 ゼンショーホールディングス協力隊で身につけた「異文化社会に入る構え」が海外の生産者との関係性づくりの基礎に

  • グローバル人材の育成・確保
  • 開発途上国へのビジネス展開

当社は、「すき家」をはじめとする各種外食チェーンを展開していますが、安全でおいしい食を手軽な価格で提供するため、原材料の調達から製造・加工、物流、店舗での販売に至るすべての過程を自前で行う「マス・マーチャンダイジング・システム」という仕組みをとっている点が、事業の特徴となっています。

 2006年には海外展開を開始し、これまでに米国、中国、ブラジル、タイ、マレーシアの5カ国に約250店舗を出店しました。創業以来、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という理念を掲げており、今後ますます海外展開を拡大していく予定です。

 また、この理念と合致するものであることから、当社はフェアトレード事業も積極的に進めており、現在はアジア、中南米、アフリカ、大洋州の12カ国とコーヒー、紅茶、カカオの取引をしています。当社のフェアトレードの特徴は、社員が生産者のもとを訪れ、直接取引をしている点です。それにより、商品の安全性が確保できるだけでなく、生産者が抱える生活インフラの問題を把握し、その改善を通じて安定した生産を実現することも可能になります。

 こうしたことから、現在はグローバル人材の必要性が急速に高まっているのですが、そのなかで期待を寄せているのが、JICAボランティアを経験している社員たちです。現在、当社には社会人採用で入社した協力隊経験者が4人います。いずれも、海外勤務の適性ばかりに着目して採用したわけではありませんが、今後、海外展開において協力隊経験で身につけた力を発揮してもらう機会がやってくることと思います。

 4人のうちの1人、2年ほど前に採用した男性社員は、すでにフェアトレード事業で協力隊での経験を存分に生かしてくれています。生産者と直接取引をする当社のフェアトレード担当者には、彼らと濃密な関係を築く力が必要とされるのですが、この男性社員は見事にそれをこなしている。「現地の人々の文化や言語を謙虚に学び、彼らを尊重する」という、異文化社会に入るうえでの基本的な構えが、協力隊経験によって身についているのでしょう。さらに、海外で取引先を開拓する場合などでは「与えられた環境のなかで、自分がなすべきことを自分で考え、自分で行動に移していく」という力が特に重要となってきますが、彼はそれを持っている。おそらく協力隊活動のなかで培ったのだと思います。

 当社は、ゆくゆくはあらゆる国と地域に事業展開し、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という理念を現実のものとすることを目指しています。この理念に共感していただけるJICAボランティア経験者の方には、ぜひ私どもの仲間となり、力を発揮していただきたいと思います。

グループ人事本部 人財開発課 マネジャー
平田 誠さん

PROFILE

株式会社 ゼンショーホールディングス
創業:1982年
本社所在地:東京都港区港南2-18-1 JR品川イーストビル
事業内容:フードサービスチェーンの経営、販売システム・食材加工システムの開発
従業員数:4,841人(2012年3月現在)
協力隊経験者数:4名(2012年3月現在)

HP:http://www.zensho.co.jp/
一覧に戻る

TOP