田中理事長がブラジル、パラグアイ、パナマを訪問

2024.05.16

田中明彦JICA理事長は、5月2日から8日にかけて、ブラジル連邦共和国、パラグアイ共和国、パナマ共和国を訪れました。

ブラジルとパラグアイには岸田文雄内閣総理大臣による南米訪問の経済ミッションメンバーとして同行しました。ブラジルでは岸田総理及びルーラ大統領の同席のもと、農業・気候変動分野における協力覚書を締結しました。パラグアイでは岸田総理及びペニャ大統領の同席のもと、宇宙開発分野における協力覚書を発表しました。また、岸田総理とともに日系関連行事や日系団体との懇談会に参加し、両国の日系社会との一層の連携を推進するため、中南米・日系社会と日本との人的交流の重要性を確認しました。
その後に訪問したパナマでは、感染症対策や都市交通の協力事業を視察するとともに、同国政府要人と会談しました。

1. ブラジル連邦共和国

5月3日に岸田総理とルーラ大統領は「環境・気候・持続可能な開発及び強じんな経済に関するブラジルと日本のパートナーシップ」を立ち上げました。これを踏まえ、ブラジル政府が推進する「劣化牧野を持続可能な農業生産と森林に転換するための国家計画」への協力覚書に田中理事長、ファバロ農務大臣、テイシェイラ農業開発・家族農業大臣、マスルッハ農牧研究公社総裁が署名しました。

覚書署名式の様子(出典:首相官邸ホームページ)

覚書署名式の様子(出典:首相官邸ホームページ)

また、岸田総理とブラジリア連邦直轄区、ゴイアス州、トカンチンス州の日系12団体との懇談会に参加し、日本語教育や企業家活動など日系社会との連携の重要性について確認しました。

5月4日には、サンパウロにて、ブラジル日本文化福祉協会における岸田総理歓迎式典や、開拓先没者慰霊碑献花、中南米政策スピーチ等の政府行事に参加し、世界最大の日系社会を擁するブラジルとのパートナーシップの重要性を改めて確認しました。なお、岸田総理は今回、今後3年間で中南米の日系社会と日本との間で1,000名規模の人的交流を実現する方針を発表し、JICAもブラジル日系団体と本年2月29日に立ち上げた「未来への団結」プログラムを通じて人材交流の活性化に貢献する方針です。

サンパウロ大学における岸田総理大臣の対中南米政策スピーチ(出典:首相官邸ホームページ)

サンパウロ大学における岸田総理大臣の対中南米政策スピーチ(出典:首相官邸ホームページ)

同日夕方には経済ミッションメンバーとともに「日・ブラジル・ビジネスフォーラム」に参加し、民間部門における両国間の経済連携強化に向けた取り組みを確認しました。

2. パラグアイ共和国

5月3日午後にパラグアイの首都アスンシオンを訪問し、日本とパラグアイの産官学連携を通じた宇宙開発への協力を確認する覚書に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)およびパラグアイ宇宙機構とともに署名しました。この覚書は、同日に行われた岸田総理とペニャ大統領の共同記者発表で紹介された「日・パラグアイ宇宙協力プログラム」を推進するものです。

覚書発表式の様子(出典:首相官邸ホームページ)

覚書発表式の様子(出典:首相官邸ホームページ)

また、田中理事長は、パラグアイで活動するJICA海外協力隊やJICA専門家らとともに、日本政府が主催した日系人との懇談会に出席しました。1万人の日系人を擁する日系社会は日本とパラグアイの友好関係の象徴となっています。

3. パナマ共和国

岸田総理の南米訪問への同行後、5月6日にパナマの首都パナマシティを訪問しました。円借款にて建設が進むパナマ首都圏都市交通3号線(パナマメトロ3号線)の工事現場では、日本から移送された車両が保管されている車両基地や、モノレールの路線を視察しました。また、国際物流の要所で渇水の影響を受けているパナマ運河を訪ねました。加えて、アレクサンダー経済財務大臣及びオテロ外務次官と意見交換を行いました。

パナマメトロ3号線車両基地の訪問

パナマメトロ3号線車両基地の訪問

パナマ経済財務大臣・外務次官との面談

パナマ経済財務大臣・外務次官との面談

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