ミャンマーの災害対応力強化システムと産学官連携プラットフォームの構築プロジェクト

Project for Development of a Comprehensive Disaster Resilience System and Collaboration Platform in Myanmar

実施中案件

国名
ミャンマー
事業
技術協力
課題
水資源・防災
協力期間
2015年4月~2020年4月

プロジェクト紹介

ミャンマーは、これまでも多くの地震災害、水災害を経験してきました。今後予想される都市人口の増加や産業・居住区域の拡大による災害リスクの増大、気候変動に伴う風水害発生など、自然災害の不確実性への対応が喫緊の課題です。総合的な災害対応能力の強化のためには産学官の緊密な連携が必要ですが、同国においては、十分な横断的連携体制が整備されていません。この協力では、同国科学技術省傘下にあるヤンゴン工科大学に災害脆弱性の変化を随時予測するシナリオ解析システムおよびそれを基盤とする災害対応力を強化するための一元的災害対応システム構築するとともに、人材の育成、産学官連携プラットフォームの構築と安定的な運営などを支援します。これにより、同国の災害対応能力の向上に寄与します。

協力地域地図

ミャンマーの災害対応力強化システムと産学官連携プラットフォームの構築プロジェクトの協力地域の地図

事業評価

協力現場の写真

  • 不具合のある吊橋のタワーの長期モニタリングのために傾斜計を設置した。約1年間の計測を予定している。橋梁の劣化や不具合はミャンマーでも顕在化しており、日本の計測、評価、対策方法の適用が有効となる。 

  • 橋梁において変状発生の多い桁端部、特に支承部の変形や損傷の確認を行っている。変状に応じた適切な対策や、簡易モニタリング方法などについて検討を行っている。 

  • スマートフォンを用いたGNSS測量調査の様子。スマートフォンに搭載されているGPS、GLONASSなど複数の測位衛星(GNSS)情報を取得し、YTUキャンパス内で測位精度を計測した。概ね10mの範囲で収まっていることが確認された。 

  • 衛星画像を用いたヤンゴンの都市変化解析の様子。Landsat衛星画像を用いて過去40年(1970~2010)のヤンゴンの土地被覆解析を行い、都市変化の様子を定量解析した結果、都市面積が約7倍に増大していることが明らかとなった。 

  • ヤンゴン市内のYCDC(Yangon City Development Committee)宿舎(6階建て鉄筋コンクリート造)の建物振動特性を把握するために常時微動測定器を使って測定した。(2015年9月) 

  • ヤンゴンの脆弱性マップを作成する上で不可欠となる建物のデータ状況を把握するためにStrategic PartnerであるYCDC(ヤンゴン市開発委員会)のオフィスを訪問した。 

  • ヤンゴン市内にあるパラミバスステーションにて。バスモニタリングシステムのためにスマートフォン設置作業を行っている。 

  • 東京大学とヤンゴン工科大学によるヤンゴン川での潮汐調査(2016年2月)。干潮時に水位計を設置し、潮位差を観測。 

  • 東京大学とヤンゴン工科大学によるヤンゴン川とバゴー川合流部での潮汐調査(2015年10月)。高台に定点観測カメラを設置し、二つの河川が合流し、かつ潮汐の影響を受ける複雑な水面での流向や流速、潮位差を観測。 

  • バゴー川沿いの洪水常襲地帯に居住する貧困層への聞き取り調査。洪水が生活に与える影響や災害時に対応などを明らかにする。 

関連情報

本プロジェクトの他の期・フェーズ

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