第2回合同調整委員会(JCC)会議の開催

2023年5月15日、本プロジェクトの第2回合同調整委員会(JCC)会議を開催しました。会議では過去1年間の活動実績について各事業担当者から報告が行われました。会議中、エチオピア政府が策定した「長期低排出発展戦略」(注)における農業部門のアプローチ方法について、プロジェクト・ディレクター(農業省気候変動・調整チーム長)によって説明がなされるとともに、2023年4月に行われた本邦研修の結果概要や、各成果ごとの実績と今後の活動計画について報告が行われました。

今回のJCC会議に先立ち、2023年3月にはJICA地球環境部から運営指導調査団が派遣され、プロジェクトによる実態調査を通じて明らかとなった状況の把握に基づき、関連する成果や活動の整理が行われていました。調査団滞在中は、連邦・州政府の関係省庁、関連ドナーを訪問しながら情報収集を行い、主に森林認証コーヒープログラムや参加型森林保全に関する事項についてプロジェクトの実施機関と協議を行っており、運営指導調査団派遣中に議論・合意した事項の承認が今回のJCC会議の開催要件となりました。

JCC会議の結果、議論してきたプロジェクト成果・活動内容の変更が承認され、承認された内容に基づき事業を更に展開していくことが関係者の間で確認されるとともに、出席したプロジェクト・マネジャーやJICAエチオピア事務所から、今回の変更を通じてプロジェクトの成果が発現されるよう、プロジェクト活動に対する期待が述べられました。

エチオピアの長期低排出発展戦略について説明するプロジェクト・ディレクター

エチオピアの長期低排出発展戦略について説明するプロジェクト・ディレクター

プロジェクト活動報告の様子

プロジェクト活動報告の様子

JCC会議閉会に際して挨拶するJICAエチオピア事務所・高野次長

JCC会議閉会に際して挨拶するJICAエチオピア事務所・高野次長

JCC開催に先立ち実施された運営指導調査の様子(ノルウェー大使館での情報収集)

JCC開催に先立ち実施された運営指導調査の様子(ノルウェー大使館での情報収集)


(注)2015年の 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP 21)で合意されたパリ協定では、地球上の平均気温上昇を産業革命以前比で2℃未満に十分抑えることや、21世紀後半に温室効果ガスの排出量と排出量のバランスを達成する(実質ゼロ)ことなどが合意されました。あわせて、エチオピアを含む締約国は、2020年までに各国の「長期低排出発展戦略(Long-Term Low Emmission Development Strategy: LT-LEDS)」を策定することが努力目標として合意されました。これにより、締約国は自国の社会経済上の課題を解決しつつ、気候変動対策を新たな成長につなげていくための発展戦略を策定することが求められています。