第3回気候変動レジリエンスワークショップの開催

2023年7月26日〜27日にかけて、第3回気候変動レジリエンスワークショップを開催しました。このワークショップは第2回目のワークショップの続きにあたる内容で、今回のワークショップで3つの「気候変動適応策計画ゾーン(APZ)」における気候変動レジリエンスの強化に向けたアクション・プラン(行動計画)の素案完成を目的に開催しました。

ワークショップには第2回ワークショップと同じく3つの県・郡の関係者が参加するとともに、気候変動や農林業分野における他の活動内容を参考例として出席者と共有する目的で、ササカワ・アフリカ財団(SAA)のエチオピア事務所の担当者も招いて開催しました。ワークショップには前回同様にオロミア州環境保護庁と連邦農業省のカウンターパート(事業担当者)も参加しました。

今回のワークショップは過去2回のワークショップを通じて議論してきた内容を再確認することから始まりましたが、この中で検討された気候変動適応策についての行動計画を検討するには具体的な活動を更に検討する必要があったため、まず問題と対応する活動の細分化を議論することから始まりました。本プロジェクトでは、農林業分野における適応策の実践・効果を学習する方法の一つとしてファーマー・フィールド・スクール(FFS)に着目し、そのための人材育成を行っていますが、他の現地関係者がどのような課題解決のアプローチを取っているか参考にしてもらうために、ササカワ・アフリカ財団の現地事務所関係者にも取り組み内容についての紹介をしてもらい、ワークショップ参加者との間で農業普及のあり方やその内容について議論が行われました。

ワークショップはグループワークを中心に行い、FFSを通じて取り組むことができる内容と、FFS以外の方法を通じて補完的に取り組む活動内容を仕分けしながら関係者を再整理し、それぞれの活動の優先順位を農業・畜産・林業の部門別に整理した上で、優先順位の高い内容を中心に活動の財源とおおよその予算規模について議論しました。本プロジェクトでは、策定するアクション・プランを実施するための具体的予算は措置しないため、その実施に際しては予算を獲得する必要が出てきます。財源を巡るグループワークを通じて、他の支援事業との重複する活動や郡の予算で対応できる可能性がある活動について整理を行い、州政府や連邦政府に求めるアクションや、資金を獲得する上でのポイントを整理して閉会しました。今後、過去3回のワークショップを通じて完成させたアクション・プランの骨子案に基づき文書化を進めながら、財源や資金獲得に向けた議論を州政府や連邦政府等の関係者と進めていく方針です。

グループディスカッションの内容についてコメントする金澤専門家

グループディスカッションの内容についてコメントする金澤専門家

活動事例を共有するササカワ・アフリカ財団のエチオピア事務所担当者

活動事例を共有するササカワ・アフリカ財団のエチオピア事務所担当者

完成したアクション・プランの骨子を発表するワークショップ参加者

完成したアクション・プランの骨子を発表するワークショップ参加者